恵みの雨かも?

 広島前田健太投手(24)は6日、先発したヤクルト戦を雨で流された。0-0の2回2死一塁、中村を2ストライクと追い込んだところで、雨あしが強まり中断。今季初めて降雨ノーゲームとなった。この日発表された6月度月間MVPの「御礼登板」は幻となったが、先発ローテーションが再編され、オールスター第1戦(京セラドーム大阪)にスムーズに臨める態勢が整った。

 雨男は本物だった。この日、月間MVPに選ばれた前田健は“御礼登板”で1回から飛ばした。直球は140キロ台後半を連発し、コントロールもさえ渡った。1回2死二塁、畠山からスライダーで空振り三振を奪うと、気合を込めてほえた。だが、2回2死一塁、中村を2ストライクと追い込んだところで、雨あしが一気に強まり、渡田球審が中断を宣告。8分後の18時32分に降雨ノーゲームが決まった。今季72試合目にして、初めて試合が成立しなかった。

 前田健

 久しぶりに、調子が良かった。せめて、5回まで出来れば。今年は雨男ということですね。朝の天気予報では、(午後)6時ぐらいは良かったんですけど、雨男の力で(雨雲を)持ってきました。

 雨天のマウンドは今季3度目だった。本拠地で行われた4月30日ヤクルト戦は開始を30分遅らせてのスタートで、6回4失点と波に乗れず敗戦投手になった。6月8日ソフトバンク戦(マツダスタジアム)は6度も中断する中で8イニングを投げたが、1-1で8回コールドとなり、勝ち負けはつかなかった。「あれで勉強になった。試合中の雨には慣れた」と、違和感なく右腕を振った。

 ノーゲームは残念だったが、恩恵もある。次回登板は10日巨人戦(京セラドーム大阪)が有力となり、前半戦最後は中5日で16日中日戦(マツダスタジアム)となる見込み。地元大阪で行われる、オールスター第1戦(京セラドーム大阪)に、余裕を持って中3日で登板することができるようになった。

 前田健

 計算したら日程が厳しかったけど、ずれたので変なことを考えずにいけるかと思う。投げる回数が1回減るけど良かった。できれば(球宴は故郷大阪の)京セラで投げたいので。

 試合が成立していれば、18日の中日戦が最終登板となり、地元大阪での晴れ舞台に立つには、中1日で強行登板しなければならなかった。これで、シーズンにも、球宴にも、心おきなく全力投球が出来る。エースの力を見せつける。【鎌田真一郎】