<DeNA11-5阪神>◇15日◇横浜

 もう、チグハグ!

 そら復活した自力CSも1日で消滅しますわ。気合を入れて臨んだ最下位DeNA戦。ドタバタの連係ミスで、序盤の好機をフイにした。2回の1死一、二塁で「エンドラン」と勘違いした二塁走者新井がスタートを切り、あっさり盗塁死。そこから防戦となり、気がつけば今季ワースト11失点を喫した。

 和田阪神が混乱状態に陥った。1点を追う2回表1死一、二塁で打席には投手のスタンリッジ。カウント1-1の3球目にバスターを試みたが、空振りした。ここで思いも寄らないプレーが起こった。二塁走者の新井がスタートを切っていた。三塁タッチアウトで攻撃の流れが切れた。まさか投手の打席でバスターエンドラン?

 これは指揮官が否定した。

 和田監督

 バスターエンドランだったら、一塁ランナー(藤井彰)も走っている。それはない。そこらへんの徹底だな。連係がここのところ…。

 サインは単なるバスターと見られる。新井も「自分のミス」と認めた。しかしスタンリッジの発言は食い違った。「バスターエンドランだった。一塁ランナーが止まっていたから、何が起きたか分からなかった。空振りした自分のミスだ」。事の真相以前に、首脳陣と選手の間で作戦がしっかりと伝わっていないことが大きな問題だ。

 9日の巨人戦でも、新井良が3バントスクイズを試みて、失敗した。久慈守備走塁コーチが自らの伝達ミスを打ち明けたが、3連勝を狙った一戦でも失敗は繰り返された。

 2回表が無得点に終わると、その裏にも情けないシーンが続いた。1死二、三塁で投手藤井の打席。バッテリーはスクイズを警戒し、四球を与えた。そして1番荒波に初球を三塁打され、大量失点に発展した。

 和田監督

 投手に四球を与えて、初球にガツンやからね。少ない失点で抑えられるケースだった。序盤に取られ過ぎて、点を取った次の回に取り返された。悪循環で、踏ん張りきれなかった。

 先発が3回6失点で炎上すると、2番手以降も踏ん張れなかった。今季ワーストの11失点。前夜に復活した自力クライマックス・シリーズ進出の可能性も一夜にして消滅した。球場入りで指揮官は「よっしゃ、行こうか!」と意気込んだが、ミス連発では連勝は続かない。最下位相手に「野球下手」と言われても仕方がない敗戦だった。