阪神は21日、FA宣言した平野恵一内野手(33)に対し、移籍先が見つからず、宣言残留となった場合、これまで提示していた条件を白紙に戻す方針を固めた。

 10日にFA宣言を表明した平野は、14日にFA宣言選手として公示された。他球団との交渉が解禁されて1週間が過ぎたが、これまでに交渉が公になっている球団はない。

 阪神はFA宣言前の残留交渉で単年契約、今季から4000万円のダウンとなる年俸1億5000万円を提示している。このまま移籍先が見つからず、阪神に残留となった場合について球団首脳は「白紙になるでしょう」と宣言前の提示条件を見直すことを明言した。

 二塁とともに外野も守れる平野について、球団は来季も必要な戦力と判断して残留交渉を行ってきた。それだけにFA宣言表明時の落胆は大きく、交渉にあたってきた高野球団本部長は「何回も残留交渉をしてきたわけですから…」とショックを隠しきれなかった。和田監督も「他の球団とも話をするんだろうけど、それで出ていくという状態でもない。こちらは必要な戦力だと思っている」と宣言残留の可能性にかける姿勢をあらためて示すほどだった。

 阪神残留となった場合、白紙に戻った条件は、さらなる減俸へと向かうことになりそうだ。成績不振も相まって、大幅な減俸となる可能性も出てきた。(金額は推定)