野球に恩返しを-。巨人小笠原道大内野手(39)が千葉県身体障がい者野球チーム「市川ドリームスター」を、創設からゼネラルマネジャー(GM)としてサポートしていることを2日、明かした。この日は地元の千葉・市川市の少年野球大会「小笠原道大杯」の閉会式に出席。その後、11年4月のチーム結成時から携わっていると話した。

 きっかけは08年に神戸の身体障害者野球チームと交流したことだった。生き生きと野球をする姿に「衝撃的だった。みんなの目が輝いている。体から出てくるエネルギーを感じた」と感銘を受けた。同時に、地元・千葉県にチームがないと知った。「けがをしたことで野球をあきらめた人もいる。まだ野球ができる方法はある。みんな同じように誰でも野球はできる」とサポートを決意し、立ち上げに尽力。チーム名も「夢を持ってやってほしい」との願いを込めて命名した。

 現在は23歳から51歳の8人が所属し、月2回の練習に打ち込む。1日には静岡県内で、混合チームながら初めて練習試合が実現した。着実に前進するチームに「暗くなっても、みんな一生懸命ボールを追っている。こちらも励まされる」と刺激を受けつつ「いつか自分のチームとして試合ができれば。継続して力を入れていきたい」と約束した。

 決勝戦を観戦し、「最後まであきらめない気持ちを感じた。自分も子どもの時にやっていたんだな、と思い出しましたね」とほほ笑んだ。「僕は野球に育ててもらったので、恩返ししたい気持ちもある」。野球への、あふれんばかりの情熱を口にした。【浜本卓也】

 ◆身体障害者野球

 93年1月に日本身体障害者野球連盟(Japan

 Dream

 Baseball

 League)が設立。選手資格は身体障害者手帳を所持する肢体不自由者と療育手帳所持者(人数制限あり)で、年齢、性別の制限はなし。盗塁禁止など、ルールに多少の違いはある。加盟には1チーム12人以上の登録が必要で、現在は全国32チームが加盟している。全国大会のほか、世界大会も行われている。