3月に開催されるWBCの日本代表候補34選手が4日、都内で発表された。広島からは前田健太(24)、今村猛(21)の2投手が選出された。広島投手陣が本大会に出場すれば初めて。来年2月の強化合宿(宮崎)でアピールして、前田健は先発ローテ、今村はセットアッパーの座をつかみ取る。

 世界を舞台に戦うための第1関門を、カープの2投手が突破した。今季チーム防御率2点台を支えたエース前田健とセットアッパー今村がWBC日本代表候補34人に選出された。

 過去2度のWBC本大会で広島投手陣が投げたことはない。06年の第1回は黒田(現ヤンキース)が壮行試合のケガで出場できなかった。09年の第2回大会が開催されたとき、前田健は前年に9勝したものの代表には手が届かなかった。エースのモチベーションは相当高い。

 「例年より早めの調整にはなりますが、しっかりと体をつくり、日本代表として勝利に貢献できるよう頑張ります」

 今季はWBC出場を意識しながらプレーしてきた。29試合に登板して、14勝7敗の成績を残した。防御率1・53を記録して、2年ぶりの最優秀防御率を手にした。メジャー組の相次ぐ辞退もあって、同学年の楽天田中と並んでローテーションの中心を任されることになりそうだ。

 今季自己新の154キロをマークした今村は右のセットアッパーに君臨することになる。「国際試合の経験は少ないですが、今自分の持っている力をしっかり出せるように準備し、勝利につながるピッチングでいい結果を残せるようにしたい」と意気込む。

 今季、チーム最多の69試合に投げて2勝2敗4Sだった。防御率1・89と3年目で急成長を遂げた。11月16日のキューバとの強化試合(福岡ヤフードーム)でも2回無失点。複数イニングを投げられる強みがある。

 本戦に出場するには2月の強化合宿でアピールし、28人に残る必要がある。もちろん、競争に勝ち抜く自信はある。今季、鯉投を支えてきた2人が浩二ジャパンの強力投手陣の一角を担う。【中牟田康】

 ◆広島WBCメモ

 06年第1回、09年第2回の本大会で広島投手陣は1人も投げることはなかった。06年は黒田(現ヤンキース)が選出されたが、2月24日の12球団選抜との壮行試合で右手人さし指に打球を受けた。同箇所の打撲と診断されて本大会を辞退した。09年は永川勝が第1次登録選手となっただけで合宿から参加していない。野手では06年に新井(現阪神)、09年には石原、栗原が出場している。栗原はケガで離脱した村田(当時横浜、現巨人)の補充選手として準決勝から合流した。