阪神和田豊監督(50)が極秘渡米していることが10日、分かった。滞在中にはプエルトリコにも渡り、ウインターリーグも視察。提携球団のブレーブス首脳とも会談した模様。見聞を広げることが主目的だが、現地の選手を生チェックしたことで、ストッパー&4番の緊急補強への情報を収集した可能性はある。

 就任2年目への決意を感じさせる行動だった。和田監督がつかの間のオフを利用して、電撃で海を渡っていた。米国に飛び、さらにプエルトリコにも足を運んだ。歴代指揮官の中でも異例の極秘渡米だ。「自己の見聞を広げるため、と聞いている。ずっとユニホームを着ているから、そういう時間が今まで持てなかったのもあるだろう」と球団関係者は話した。指揮官は引退後すぐにコーチに就任。1度もユニホームを脱いだことがない。メジャー球界を視察する機会もなかった。

 見聞を広げるためではあるが、単なる旅行ではない。プエルトリコではウインターリーグが開催中。必死に自らを売り込もうとする選手の姿を目に焼き付けたはずだ。坂井オーナーは本紙のインタビューでストッパーと4番の外国人調査を「継続している」と語っている。和田監督が自身で情報を収集したことは大きい。緊急補強の際に役立つことは確実だ。提携を結ぶブレーブスも表敬訪問したという情報もある。施設を見学し、メジャー球団の首脳と会談した模様で、充実の渡米になった。指揮官はきょう11日にも帰国する予定だ。

 ◆ウインターリーグ(WL)

 中南米のWLはプエルトリコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、メキシコの4カ国でメジャーのシーズンオフに開催される。メジャー昇格をアピールする目的で出場するマイナー選手が多いが、解雇され再起を目指すベテランも。日本の球団も選手を派遣している。