【ホノルル(米ハワイ州)11日(日本時間12日)=本間翼】来年の「脱がす」ターゲットは、7年目を迎える佐藤だ。日本ハム栗山英樹監督(51)は、来季奮起を促す選手として、佐藤賢治外野手(24)の名を挙げた。「ダメだったらユニホームを脱がすから。どうすればあの打撃が生かせるのか、来年は外野だけじゃなくて三塁手もやらせる」と息巻いた。

 「ユニホームを脱がす」は今季が始まる前、伸び悩んでいた吉川に向けて使った言葉。発奮した吉川は1年間ローテーションを守り抜き、14勝5敗、防御率1・71と活躍し、MVPに選ばれた。栗山監督の「脱がす」発言は、もう後がないという危機感を植え付けるためのものだが、吉川が殻を破ったことで、佐藤にもブレークの期待が高まってくる。

 ロッテからトレード移籍して3年目になる佐藤は、今季も1軍出場がないまま終わった。プロ通算17試合の出場で、25打数3安打、本塁打もないが、長打力のある打撃は以前から首脳陣の評価も高い。「ヤンチャ(な性格)だけどね。オレ、ヤンチャな選手は好きなんだよ」。11月に視察した秋季キャンプでも、栗山監督は積極的に声を掛けて、奮起を期待していた。

 くしくも吉川と同世代の高卒7年目。佐藤のがんばりは自身を、チームを助け、「脱がす枠」の存在価値を高めることにもなる。