DeNA筒香嘉智内野手(21)がようやく目覚めた。20日、沖縄・宜野湾で行われた韓国・LG戦に4番三塁でフル出場。本塁打が出ればサイクル安打という3安打3打点の活躍で、チームを今季、対外試合初勝利へと導いた。モーガン、ブランコ、ラミレスの強力助っ人に割って入らんとばかりの猛アピール。その裏には、侍ジャパンの主将からのひと言があった。

 外寄りの直球を捉えた筒香の打球が、左中間を深々と破った。右前打、中越え三塁打に続く、この試合3安打目となる二塁打を放った。「今日打った中で一番良かった。自分がずっとやってきたことが結果につながってきている」と淡々と振り返った。

 “軸で打つ”ことを意識した。きっかけは昨年11月に巨人阿部から受けた助言だった。日本代表メンバーとして参加したキューバとの強化試合前の打撃練習中に、「上体が前に突っ込み過ぎている。左足の付け根を意識して、重心を軸足にしっかり残した方がいい」と指摘された。筒香自身も自覚していた課題だったが、同じ左打者として尊敬する阿部からのアドバイスは、取り組もうとする方向への迷いを完全に取り払ってくれた。

 昨季は結果にこだわり、シーズン中に何度もフォームを変えた。しかし今年は「今の形でぶれずに続けていきます」と、信念を貫き通す覚悟だ。目指すは阿部のように好機でしっかり走者をかえす打者。「クリーンアップを打ちたいと思う」と、強力助っ人トリオとの中軸争いに強い決意をにじませた。【佐竹実】