<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク9-3中日>◇26日◇雁の巣

 ソフトバンク森福允彦投手(26)が開幕へ突貫工事に入った。ウエスタン・リーグ中日戦で調整登板。1回を2安打、1死球、1失点と不安定な内容だった。WBC日本代表での登板は、わずか2試合。復調へ向けとにかく「試合勘」を取り戻すため、今日27日も同戦で連投テストを行う。

 2軍相手に失点した。森福は8回に3番手として登場。1死後、死球、中前安打で一、二塁のピンチをつくる。左の堂上剛は左飛に抑えたが、3年目の右の内野手・森越に右前適時打を許した。「ボールは悪くなかった。気持ちが入れば違う」。結果は出なかったが、前向きな言葉が出てきた。

 WBC日本代表ではボールの違い、登板間隔が空いたことなどで左肩を痛めた。チーム合流後初登板となった23日広島戦(ヤフオクドーム)では予定の1イニングさえもたず、2/3回3安打2失点で降板。試合後は「開幕1軍にいられるかも分からない」と弱気な言葉ばかりだった。

 もっとも、左肩に不安はもうない。進化するためにもがいている。65試合に登板した昨季は変化球にばかり頼っていた。対策として直球が走る負担のかからないフォームを模索中だ。「昨年の最後はいっぱいいっぱいだった。僕は力がないので工夫していかないと」。今季は70試合、息切れせずに登板しチームに貢献するためだ。

 視察した高山投手コーチは「試しながらやっている最中。点数は取られているが、悪い状態じゃない。俺は心配していない」と強調。セットアッパーとしての役割についても「もちろん」と信頼は揺るがない。

 試合後、球場外で待ったファン100人全員にサインをした。「それがここ(雁の巣)まで来た、僕の仕事」と、30分以上ペンを走らせた。

 開幕まであと3日。昨年以上に頼られる森福の神になるために、今日も2軍戦で連投する。【石橋隆雄】