阪神の新外国人ブレイン・ボイヤー投手(31=ロイヤルズ3A)が29日、楽天戦(甲子園)の試合前練習に参加し、1軍首脳陣に投球を初披露した。ボイヤーが一塁側ブルペンに向かうと、和田監督や中西投手コーチらも歩を進める。約15分間、密室でのデモンストレーションを終えると、中西コーチはニンマリだ。

 「いい球を投げていた。強さも感じる」

 抑えの久保が不調のため2軍に降格。緊急獲得したボイヤーがクローズアップされる格好。首脳陣の目を引いたのは、最速158キロの直球だけではない。21球のブルペン投球では、リリーフ投手としての総合力も光ったようだ。

 中西コーチは「カーブがいいね。ブレーキが効いている。スプリットもある」。直球一辺倒の投手ではなく、変化球を駆使する投球技術も◎。クイック動作の速さもストップウオッチで計ったが「クイックなど、細かいところも非常に速い。問題ない」と中西コーチ。走者に神経質になって自滅する外国人投手も多いが、そんなチェックポイントもクリアした。

 新助っ人は初めて甲子園で練習し、初めて1軍ナインと対面した。クローザー待望論も起こるが、中西コーチは「すぐに抑えで使うつもりはない」。まずは2軍戦などで力量の把握に努めるつもりだ。ボイヤーも「抑えであれ中継ぎであれ、できるところをやるだけ」と気合十分。泣き所をカバーできる適材適所の補強になるか。実戦登板は就労ビザを取得するまでお預けだが、今週末にも取得できる方向。着々と力を披露する日が近づいてきた。【酒井俊作】