連勝への壁をぶち破るために、黄金ルーキーを呼び寄せる。2軍調整中の楽天松井裕樹投手(18)が6日の中日戦(ナゴヤドーム)から緊急昇格することが4日、分かった。この日の阪神戦で投打に良いところなく敗れ、テコ入れが必要と判断された。野手では森山周外野手(32)が昇格。また先発強化のためライナー・クルーズ投手(27=アストロズ傘下3Aオクラホマシティー)の獲得も発表されるなど、巻き返しへ楽天が大きく動いた。

 停滞するチーム状況へ、勝負の一手が打たれた。試合後にドラフト1位松井裕の緊急昇格が決まった。9失点と打ち込まれた投手陣のテコ入れのために、5月31日のイースタン・リーグ西武戦で6回15奪三振と結果を残した左腕を中継ぎとして、合流させる。

 この日松井裕は仙台市内の2軍練習場で体力強化メニューで汗を流した。「昇格とかは何も聞いていません。とりあえず次の登板に備えるだけです」と話し、7日に行われる同リーグ巨人戦(ジャイアンツ球場)の先発登板に向けた調整を行っていた。今日5日は山形・天童でブルペン入りする予定だったが、全て白紙として1軍とともに次カードが行われる名古屋へと移動することとなった。

 4月19日以来チームの連勝はない。オセロのように勝っては負けるを繰り返し、いつしか借金は9にまで膨れ上がった。佐藤監督代行は連勝できない状況を問われ「その壁を破れませんねぇ…。頑張ります」と不敵な笑みを浮かべていた。現状を打破するための切り札が松井裕と森山の昇格だった。

 今年の交流戦ではセ・リーグ主催試合でDHが採用されている。そのため次カードの中日戦ではジョーンズがDH、ボウカーを一塁で起用することが濃厚となった。そのため外野枠が1つ減り、外野手強化のために森山が呼び寄せられることとなった。森山は俊足を生かし、代走などで活躍が見込まれる。ここぞという勝負どころでは、勝利を左右するカギとなる。

 また新外国人のクルーズの獲得も発表された。本格派右腕は先発としての期待が寄せられる。早速今日5日からの練習に合流する予定で、先発投手陣の厚みもましていく。6月は3試合を終え、1勝2敗。巻き返しはこれからだ。