<オリックス1-8西武>◇6日◇京セラドーム大阪

 西武田辺徳雄監督代行(48)の危機管理が快勝へと導いた。4点リードの4回だった。先発十亀が2連打で1点を返され、なお無死二塁でペーニャに死球を与えた。両軍のベンチがグラウンドに出てきて一触即発の状況に発展。乱闘にこそならなかったがベンチの指揮官は冷静な判断を下した。

 田辺監督代行

 あの回のリズムが悪かった。スピードも落ちていたし、死球で嫌な雰囲気になったからスパッと代えた。

 序盤は140キロ後半の真っすぐを投げ込んでいたが、この回は140キロ前半に落ち込んでいた。さらに、死球を与えた1球は炭谷の真ん中高めの要求に対し、直球がすっぽ抜けて139キロ。「死球を与えてしまって精神的にも『?』というのがあった」。3回0/3で十亀を降板させ、2番手ボウデンへの継投を決断した。

 もともとは打撃指導の職人で投手起用は不安材料の1つだった。だが「袴田ヘッド、投手系のコーチと相談しながらやっていきたい」と周囲の声に耳を傾けたうえで“田辺流”の継投策が見えてきた。3日の日本ハム戦では7回に中継ぎ陣が崩れて逆転負けを喫し「6、7回が鬼門。そこをなんとかしのがないと」。同時に指揮官の頭には先発藤原の交代機の反省もあった。

 首位争い真っただ中のオリックス打線を中継ぎ4人は無失点でしのぎ、2番手ボウデンには来日初勝利のおまけまでついた。田辺監督代行は「今日は良かったね」と就任後3度目の連勝に目尻を下げた。【為田聡史】