プロ野球のスケジュールが8年ぶりに姿を変える。12球団代表者会議が11日、都内で開かれ、来季の交流戦を現行の24試合制から18試合制へ変更することで合意した。同一リーグとの対戦は25回戦制(125試合)で、合計143試合となる。ここ数年、セ・リーグとパ・リーグの議論が平行線をたどっていた交流戦問題。日程の間延びを解消するため削減を提案したセ側が、現状維持を要望するパ側を押し切る形で決着した。

 4時間に及ぶ協議の末に、ようやく12球団で一定の方向性を見いだした。会議終了後に、セ、パ両リーグの理事長が会見して、18試合制で合意したことを明らかにした。セの強硬姿勢にパが折れた形。セの三原理事長(DeNA球団取締役)は「正式には9月1日の実行委員会で承認されるが、18試合という方向性で合意した」と説明。パの村山理事長(オリックス球団常務)は「今後は12球団で力を合わせて日程作りに取り組んでいく」と話した。

 24試合制では各カード4試合(ホーム、ビジター各2試合)だったが、18試合制では各カード3試合となり、隔年でホームとビジターで3連戦を戦う形に変わる。また、シーズン全体の試合数を現行(144試合)に近づけるため、同一リーグとの対戦を各カード24試合から25試合へ増やし、トータルでは143試合とする。ホームとビジターの試合数が同じにならないため、三原理事長は「18試合制は2シーズンで完結する仕組み。16年も引き続きこの制度で」と説明した。

 セは試合数そのものではなく、日程の「間延び」を問題視してきた。各球団とホーム、ビジター2試合ずつの24試合制は、同一カード3連戦を基本とした通常の形に比べてロスが大きい。今季は24試合を開催するために39日間(予備日含め)を要した。集客が見込める金曜日に試合が開催できなかったり、土曜日にデーゲームが組めないこともあった。

 このしわ寄せは、ドーム球場が2つしかないセにとって深刻な事態をもたらしている。今季、雨天中止が相次ぐDeNAは95試合しか消化できておらず、シーズン終盤に10連戦を超える超過密スケジュールが組み込まれる可能性もある。三原理事長は「今後の天候次第では、リーグ戦の打ち切りも起こり得る危機的状況」と、理解を求めた。

 侍ジャパンの国際試合を行う11月の日程に余裕を持たせるため、来季から10月中に日本シリーズを含めた全日程を終了させることも検討している。パは侍ジャパン事業を推進し株式会社設立に積極的な立場をとってきただけに、最終的には受け入れざるを得なかった。最後まで18試合制に反対した球団もあったとみられ、村山理事長は「(パには)24試合制を維持すべきという意見もあった」と、苦渋の決断だったことも明かした。

 ◆交流戦の試合数

 05、06年は1カード6試合(ホーム3試合、ビジター3試合)で、各チームは別リーグの6チームと合計36試合。07年から1カード4試合(ホーム2試合、ビジター2試合)となり、1チームの試合数は36試合から24試合に減少。代わりに、同一リーグ間の対戦は05、06年のセ・リーグが1カード22試合、パ・リーグは20試合だったが、07年からは両リーグとも1カード24試合に増えた。また、今季はDH制がセ・リーグの本拠地で採用された。