<ソフトバンク3-7楽天>◇24日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが楽天に連敗し、マジック点灯は7試合、8日連続でお預けとなった。エース摂津正投手(32)で3回6失点KOの大誤算。逆に、猛追を続ける2位オリックスはエース金子千尋投手(30)が8回を無失点で勝利に導き、逆マジックに王手をかけた。ゲーム差は1・5に縮まり、きょうの両チームの勝敗次第でオリックスにマジック7が点灯する。

 スコアボードに「6」がともる。1年間、応援の熱を送り、追い風を吹かせてきた右翼のメガホン畑が静まった。摂津が崩れた。3回を6失点で去る、信じ難い光景だった。秋山監督も「何かあるか?」と次の言葉が出ない。3回1死走者なしから3四死球に4長短打が絡んでまさかの1イニング6失点。「見ての通り。重いね、早いうちから。状態が良くないと思う。本人に聞いてみないと。実績はあるけど…」。Vへのスパートがかからず、指揮官の顔色はさえない。

 エース先発試合で勝負手を打った。通常1番の中村を2番、出塁率リーグ2位の柳田を5番から1番に上げる“超前輪駆動”に、調子の良さを買ったカニザレスを6番で初先発させた攻撃的なオーダー。「相性というか、勢いをつけていきたいのはあった。ああだこうだ言っても、いろいろ打開策を考えないと」。

 柳田はプロ初の5打数5安打、先頭打者で3度出塁したが、あとが続かず得点できなかった。今季最大の逆転は4点差まで。序盤の6失点が重かった。降板後の摂津はベンチから仲間に声を送り、チームが勝つためできることを尽くした。17日オリックス戦の6回7失点に続く連敗に「野手の人に申し訳ないです…」と言うしかなかった。

 マジック点灯王手から8日連続の足踏み。地面ならもうカチカチになりそうだが、初めて優勝争いする選手たちの動きもやや硬い。ゴールデングラブ賞の今宮は3回にアウトにしたものの、ジョーンズのゴロをファンブルしていた。5カード連続勝ち越しなしで、9月の月間勝ち越しは消えた。それどころか今4連戦での地元胴上げも消滅。「済んだこと。後ろを見てもしょうがない。前を向いて、明日、明日しかない」と秋山監督。残り4試合。ピンチではない。自分たちで優勝を決められる首位にいるのは、ソフトバンクである。【押谷謙爾】

 ▼摂津が3回64球で降板。11年の先発転向後、摂津の自己最短降板は負傷以外では13年9月21日ロッテ戦(QVCマリン)の1回がある。打者13人6安打7失点だった。ヤフオクドームではこれまで11年8月21日楽天戦での4回が最短だった。

 ▼ソフトバンクの最短優勝日は27日に延びた。今日からソフトバンクが楽天に○○、オリックスが西武に●●の場合、ソフトバンクにマジック1が点灯。27日は移動日で試合がなく、オリックスが日本ハムに敗れるとソフトバンクの3年ぶりの優勝が決まる。