将来のメジャー移籍志向を持つ日本ハム大谷翔平投手(20)が、移籍時は投手に絞って挑戦する意向があることを明かした。27日、都内のホテルで「ジョージア魂賞

 年間大賞」の表彰式に出席。球界最年長の中日山本昌から、今後のメジャー挑戦時について質問され、誠実に回答。二刀流を貫くことがベストとしながら、投手一本で挑む青写真も描いていることを披露した。

 大谷に球界のレジェンド、山本昌から思わぬ“直球”が投げ込まれた。この日、出席した「ジョージア魂賞

 年間大賞」の表彰式中のトークショー。司会者が、大先輩から大谷への質問を読み上げた。「メジャー挑戦となっても(投打)二刀流にこだわる?

 投打絞らないといけないとしたら、どっち?」。一瞬、ニヤッと笑った162キロ右腕は、マイクを持って言葉を選びながら答えた。

 大谷

 評価してもらえるなら(二刀流を)やっていきたいです。最初(高校時代にメジャー球団から)評価してもらったのは投手だった。現時点では、そちら(投手)の方が可能性は高いかなと思います。

 将来的なメジャー挑戦について、投手に一本化する考えもあることを思わず明かした。

 投打「二刀流」へのこだわりはあるが、投手としての自信を深めた1年だった。1年目は3勝止まりだったが、今季は11勝。チームでもエース格に上り詰め、最速は162キロまで伸びた。11月には日米野球に投手として参加。直球で現役メジャーリーガーを詰まらせる場面が何度もあった。18日の第5戦(札幌ドーム)の先発後には「収穫は多かった」と成長度合いや課題も発見。投手に絞ってメジャー入りの夢を追うことも、現実的に考えられるようになった。

 この日は「ジョージア魂賞」の年間大賞を受賞。マウンド上で熱く雄たけびを上げる場面がファンから支持された。「イメージした通りに抑えた時に自然に出る。そういう場面が今年は増えた」。投手として手応えを深めた2年目を終え、25日には栗山監督と今後の二刀流の運用法について面談した。「投手・大谷」の進化が加速すれば、未来展望がさらに開けるかもしれない。【木下大輔】