ルーキーのみんな、思い切って飛び込んでこい!

 巨人長野久義外野手(30)と菅野智之投手(25)が25日、初の春季キャンプを迎える新人のサポート役を買って出た。この日、ジャイアンツ球場の室内練習場にキャンプの荷物出しのため主力選手が続々と姿を見せると、新人は緊張した表情であいさつするのみ。そんな戸惑う様子を見て「あんちゃん」たちはスッと手を差し伸べた。

 右膝と右肘の手術明けでリハビリ中の長野は、キャンプ2軍スタート。ドラフト1位岡本和真内野手(18=智弁学園)らと同宿となるため「気軽に話し掛けてもらって(質問を)言ってきてもらってもいいですよ」と笑顔で約束した。球団関係者も「2人(長野と矢野)が(2軍に)いることが大きい。食事会場や風呂場、いろんなコミュニケーションがあると思う。にぎやかになりますよ」と新人へのプラス効果を挙げた。

 長野より年下の「ちぃ兄ちゃん」菅野も同じ思いだった。1軍キャンプには2位の戸根千明投手(22=日大)と3位の高木勇人投手(25=三菱重工名古屋)が参加。「僕も新人の時は不安だった。少しでも力になれればいいかなと思います」と話した。新人時代、沢村や小山に食事に誘ってもらい、巨人という「ひとつ屋根の下」に溶け込みやすくなった体験がある。「声を掛けながらやっていきたい」と、自らがしてもらった心遣いを後輩たちに還元するつもりだ。

 「あんちゃん」たちの言葉を伝え聞いた新人は感激しきりだった。岡本は「いろいろ聞きたいです」と声を弾ませ、戸根も「うれしいです。自分からもアクションを起こしていかないといけないと思います」と目を輝かせた。巨人の「あんちゃん」たちが、宮崎での「ほんの小さな出来事」も交流に変え、新人との垣根をとっぱらう。【浜本卓也】

 ◆巨人ルーキーの初キャンプ

 1軍キャンプが決まった新人は、先乗りの合同自主トレが実質初めての先輩たちとの交流になる。長野が「亀井さん、内海さん、山口さん。1年目の合同自主トレで最初に食事に誘ってくれた。素晴らしい仲間と野球ができると思った」と述懐するように、比較的年齢の近い先輩が声掛けするよき伝統が近年定着しつつある。内海は宮崎に到着後すぐに投手会を企画し、親睦を図る。2軍スタートの選手はキャンプ前の助走期間がないが、先輩と相部屋のケースが多く、自然と仲が深まっていく。