広島2年目、九里亜蓮投手(23)の侍ジャパンメンバー入りが急浮上した。緒方孝市監督(46)が2日、宮崎・日南キャンプを視察した日本代表の小久保裕紀監督(43)に、代表入りをプッシュ。推薦を受けた小久保監督から高く評価された。3月10日から始まる欧州選抜との強化試合で日の丸を背負う可能性もある。飛躍のキャンプにするしかない!

 捕手の後方に小久保監督と緒方監督が並んでいた。左隣では13年秋に台湾との親善試合で日の丸をつけた大瀬良が投げている。そして、九里は試しているフォームをたたき込むことが最優先だった。1球1球確かめるように投げた。ネットの向こうで2人の監督が、自分の名前を挙げているとも知らず…。

 緒方監督

 九里、田中、会沢の名前を売り込んだ。頭の片隅にでいいので入れておいて下さい、とは伝えたよ。名誉なことだし、選ばれれば自信にもなる。

 小久保監督

 緒方監督も言っていたけど、大瀬良と刺激しあいながら、引っ張っていくような選手になりそう。変化球が多彩で、ボールを動かしてくる。ローテに入ってきそうですね。

 まさかだった。伝え聞いても、うまく言葉にできなかった。昨季は2勝止まり。日の丸を背負う価値が自分にあるのか-。「まだそんな実力がある選手ではない。でもそう言っていただけるのはうれしい。実力をつけて、成績を残したいという強い気持ちです」。レベルを上げるモチベーションは一段と高まった。

 目下リリースの安定を目指し、右足を曲げずに投げ込むフォームに取り組んでいる。「1日1つでもつかんで終わりたい」と投球数は自然に増えた。153球を投げた初日に続き「今日は一二三(123球)です」。強い体は大きな武器だ。投げて投げて投げまくる。その先には日の丸もなびいている。【池本泰尚】