<東都大学野球:日大4-1中大>◇第2週初日◇13日◇神宮

 日大が中大を下し、1部復帰後初勝利を挙げた。0-0で迎えた7回裏1死満塁、8番柴原健介捕手(2年=履正社)が三塁打を放つなど一挙4点と中大先発の島袋洋奨投手(1年=興南)を攻略。投げてはエース右腕の吉田一将投手(4年=青森山田)が3安打1失点で完投した。日大の1部勝利は08年9月26日の東洋大戦以来、1082日ぶり。

 優勝22回を誇る名門が復活ののろしを上げた。チームを率い3年目の仲村恒一監督(51)は「長い道でしたね。1点取るのも、長い道のりでした」。開幕2戦は亜大に完封負け。この日も6回まで1安打だった。7回に今季25イニング目にして初得点。08年秋の1部在籍時までさかのぼれば、32イニングぶりだ。決勝三塁打の柴原は「最高です。1点取ったら、今日の吉田さんなら大丈夫だと思った」と女房役らしく語った。

 そのエース吉田一も、島袋との我慢比べに勝った。高校時代は背番号13の控え投手。甲子園を春夏制覇した“有名人”との対戦に「楽しみでしたが、投手と戦うわけではありません。ただ島袋君のリズムが良かったので、一緒に乗って行けた」と振り返った。

 昨春は2、3部入れ替え戦まで経験した。そこで不振だった吉田一は191センチの長身ながら、スリークオーターに変えた。横回転する腰の動きに合わせた。以降「球速が10キロ上がった」と146キロまで計測。今春エースとなり昇格の立役者となった。「この後(勝ち点を)4つ取る。良い投手に投げ負けないように」と、戦国東都をさらに熱くするつもりだ。【清水智彦】