親子3代で甲子園優勝を目指す。高校野球の名門、横浜・渡辺元智監督(67)の孫、渡辺佳明さん(横浜・富岡中3年)が14日、同校に合格した。同監督の「身内は苦労させないと」との方針もあり、推薦入試ではなく筆記試験を受験。「勉強を始めるのが遅く、受かると思わなかった。うれしい」と、雨天とは逆に晴れやかな笑顔を見せた。

 中学時代は「中本牧シニア」に所属し、昨夏のジャイアンツカップで全国4強。二塁を守り、打順は主に8、9番を務めた。レッドソックス松坂らを育て、甲子園通算48勝を誇る祖父は「憧れです」。他校入学は考えられず、時々グラウンドに練習見学に来ていた。念願かない「レギュラーになって、甲子園に行けたらいい」と青写真を描く。

 監督が息子と甲子園を目指す“親子鷹”は数多いが、孫と一緒は異例。さらに、渡辺監督の次女で佳明さんの母、元美さんは同校野球部寮の栄養士だ。県外生と主力選手の食事を任されており「頑張って寮に入れるような選手になってほしい」と、サポートできることを願っている。渡辺監督も「佳明の他にもいい生徒がたくさん入る。もう1度全国制覇を狙ってみようと思う」。3代で目指す甲子園には、夢が詰まっている。【鎌田良美】