日本ハムのドラフト2位、帝京・松本剛内野手(18)が、栗山新監督の熱烈エールに応えることを誓った。19日、都内のホテルで契約金6000万円、年俸600万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。今夏は主将として甲子園出場も、自らの適時失策がきっかけとなり2回戦で敗退。その日に、就任前の同監督が寄せた熱いメッセージを胸にプロの世界に飛び込む。

 不思議な縁を感じていた。松本は「自分宛てのブログを見て、すごく感激しました」と興奮気味に話した。夏の甲子園、8月13日の八幡商戦は悔しすぎる幕切れだった。栗山新監督はナビゲーターを務めていたテレビ朝日系「熱闘甲子園」のブログで「帝京高校

 松本剛くんへ」というタイトルで想いをつづっていた。

 ドラフト指名後、父勝浩さん(44)が発見し、松本も熟読。失策については「生涯忘れないでいてほしいと思います」と奮起を促され、同時に「悔しさを常に持ち続けて、最高の内野手になってください」と激励を込めた内容だった。「上(プロ)に行って、借りを返してください」という意味が詰まっていると感じたという。

 新指揮官にとっても、思い入れのある球児の1人だった。「熱闘-」に出演し始めた09年。当時1年生だった松本が、正遊撃手として夏の甲子園出場時に取材をして以来、成長を見守ってきた。「今度会う時は、さらに成長した姿を見せてくれるはず」と書いた約3カ月後、選手として預かることになった。高校通算33本塁打のパワフルな打撃と、50メートル走6秒1の俊足を誇る将来の遊撃レギュラー候補は「少しでも早く上(1軍)に行きたい」と、再会を待ち望む新監督の下でプロ生活をスタートさせる。【木下大輔】