翔平さんを超えてみせます!

 日本ハムからドラフト7位指名を受けた花巻東の岸里亮佑外野手(18)が29日、岩手・花巻市内の同校で指名あいさつを受けた。1歳上のエースで、寮でも同部屋だった大谷翔平投手(19)を「追い越したい」と力強く宣言。あこがれの先輩に、野手一本で勝負を挑む。

 プロでの目標を聞かれた岸里が、大きな決意を口にした。「翔平さんは背中を追いかけてきた先輩だけど、追いかけているだけではダメ。追いついて、追い越せるように頑張りたい」。これまでは目標としてきた存在に「近づきたい」と語っていたが、ついに“大谷超え”を宣言した。さらに「走塁面では負けていないと思うので、盗塁王を取りたい」。50メートル5秒9の快足を武器に、外野のポジションを奪う意欲も十分だ。出席した白井スカウトも「身近にいた先輩がいるので、やりやすい環境だと思う。3拍子そろっていて将来が楽しみ」と期待を込めた。

 心構えは大谷から教わる。ドラフト直後に電話で「これからもよろしくお願いします」と報告すると「(指名された)順位は関係ないから頑張れ」とエールを送られたという。現在は体力強化のため、走り込みや筋トレ、木製バットでの振り込みが中心のメニューだが「わからないことばかりなので、私生活の部分も教わりたい」。再会するとき、少しでも成長した姿を見せるつもりだ。

 地元・久慈の高校と悩んだ末に花巻東への進学を決め、大谷に出会った。同じように投手兼外野手としてチームの中心となり、最後の夏に背番号1を受け継いだ。そして、夢だったプロの世界で同じユニホームに袖を通す。岸里は「縁を感じる。早く一緒に野球がしたい」と目を輝かせた。ただ1つ、誤算があった。「対戦したい投手は翔平さんだったんですけど、同じチームなので(笑い)」。高校で達成できなかった日本一の夢を、北の大地で大谷とともに成し遂げる。【鹿野雄太】

 ◆岸里亮佑(きしさと・りょうすけ)1995年(平7)4月3日、岩手県久慈市生まれ。長内中では軟式野球部に所属。花巻東では1年秋からベンチ入り。今春の甲子園は故障で出場機会がなかったが、夏は背番号1で出場。準々決勝の鳴門戦ではバックスクリーンに高校通算32号の2ランを放った。右投げ左打ち。180センチ、75キロ。家族は両親と姉。血液型B。