プロ入りへ、発車オーライ!!

 楽天ドラフト6位のJR東日本東北・加藤正志投手(25)が7日、仙台市内の同社で球団の指名あいさつを受けた。「ようやく実感が湧きました」と笑顔。右の下手投げで、緩急に高低を使う。楽天初のサブマリン投手が誕生する。

 下手投げ転向は、生き残るために自ら導いた“答え”だった。10年前の3月。中学を卒業し、東京実野球部の練習に参加した時だ。投手は自分を含め、10人もいた。「勝ち抜く方法を考えて、人と違うことをしようと思いました」と、オーバースローからの転向を決めた。早くも、1年夏にはベンチ入り。2年秋からエースとなった。周りに下手投げの指導者がおらず、ネットでロッテ渡辺の映像を入手。努力を重ね、今のスタイルを身につけた。

 12月には社業で、白石蔵王駅や石巻駅にも立つ。「お客様へのご案内、ご誘導です。(コボスタ宮城最寄りの)宮城野原駅は仙台駅からも近い。仕事終わりにも、ぜひ来てください」と、鉄道マンらしいアピールを忘れなかった。地元企業から、地元球団へ。東北に根を張り、プロの門をたたく。【古川真弥】

 ◆加藤正志(かとう・まさし)1989年(平元)9月7日、横浜市生まれ。小3で駒岡ジュニアーズで野球を始める。東京実では2年秋からエース。3年夏は東東京大会準決勝で敗れ、甲子園出場なし。鶴見大では4年秋に最優秀投手賞。173センチ、71キロ。右投げ右打ち。