ダルスラ! ダルグミ!? 侍ジャパン湯浅京己投手(23)が18日、宮崎強化合宿で初めてブルペン入りし、ダルビッシュ有投手(36)直伝のスライダーを試投した。斜めに曲がる新球にダルビッシュも「スライダー投手のスライダーを投げていた」と太鼓判。さらに睡眠の質向上に役立つというグミをもらったことも明かした。3月のWBC本番へ向けて、大リーガー右腕の技を盗み続ける。

   ◇   ◇   ◇

スーパー右腕と同じプレートを踏んだ。ダルビッシュが今合宿初のブルペン投球を終えた直後、同じ場所で湯浅が投げ始めた。侍での初投げは中村に向かって軸となる直球、フォークを中心に30球。なかには新球も交えていた。

「昨日、スライダーの握りを教えてもらって。けっこういい感じで投げられました」

強化合宿初日だった前日17日の練習後、早速ダルビッシュに弟子入りしていた。「握り、意識も聞けて、キャッチボールで投げたらいい感じで」。もともと持っていた「縦スラ」に加え、今オフから横スラの習得に励んでいる。ただ、その2種類とはまた違う軌道を描いたという。

「斜めっぽい、今まで投げてないようなスライダー。日本のボール戻ったとしても投げられるか、試しながらやりたい」

捕手の後ろから投球を見守ったダルビッシュも「スライダーが苦手と話していて、僕はこういう風に投げてるよって言ったら、ほんとに『スライダーピッチャーのスライダー』を投げていた」。習得の早さに驚きを隠せない。「今の日本人の選手はみんな器用、オープンマインド。すごいなと思います」。本家のお墨付きを得た“ダルスラ”が3月のWBC、さらにはシーズンの新たな武器になる予感が漂う。

ダル塾の成果はグラウンド外にも。夜中に目が覚めてしまう傾向があることを相談すると「これ試してみて」と、睡眠の質向上に役立つというグミをプレゼントされた。「寝る前に食べるやつをいただいて、昨日食べて寝たらけっこう寝られました」。すっきりした顔で言った。

ダルビッシュの投球時には大勢らと捕手の後ろから観察。「すごいっす。映像で見るより生で見た方が1個1個のボールすごい」とリアルダルを肌で体感した。侍ジャパンの守護神候補にも挙がる23歳。世界で戦う右腕から学び、成長を加速させる。【中野椋】

◆湯浅の球種 150キロ超の直球は、シュート成分の少ない、いわゆる“真っスラ”のような特殊球。真上から投げ下ろすスタイルで、フォークは直球と見分けがつきにくい。もともと持っていた縦のスライダーに加え、今季から横滑りのスライダー習得にも着手。ダルビッシュから教わったスライダーは斜めに変化する新球だ。