WBC日本代表候補に選出されている阪神能見篤史投手(33)の“壮行試合”が明日13日に行われることになった。11日、宜野座での韓国・LGとの練習試合は雨のため、1回終了時にノーゲームとなった。2番手で登板予定だった能見は結局、マウンドには上がれず。中止が決まった後、ブルペンで急きょ、66球を投げ込んだ。

 能見は日本代表合宿のため、14日に沖縄を離れる。当初はこの日に投げて、合宿に臨む方針だったが、このままでは1試合も実戦で登板できない…。そこで首脳陣が話し合った結果、14日に予定されていた紅白戦を1日繰り上げて、13日に行うことになった。

 「14日からトリと能見がいないので、その前にもう1回投げさせないと」

 和田監督が意図を説明した。雨に邪魔されたペースを取り戻すために、日程を変更する。WBC日本代表という重責を背負い、チームのエースである能見だからこその特別措置だった。

 能見はキャンプ前の沖縄合同自主トレからブルペン入りし、キャンプイン後も投手陣の中で断トツのハイペース調整を進めてきた。紅白戦が1日繰り上げとなったことについて、能見は「(対外試合でなくても)打者への感覚は一緒ですから、特に問題ないです」と話した。日の丸を背負い、なおかつ、開幕マウンドの最有力候補でもあるエースを、チーム一丸となって送り出す。【鈴木忠平】