侍ジャパンの広島鈴木誠也外野手(22)が、日刊スポーツのインタビューに応じた。

 オフからキャンプにかけて日本ハム大谷翔平外野手(22)から刺激を受けて「感じる」ことに重点を置いている。刺激し合う2人だが、3月に開催される第4回WBCには大谷はいない。侍ジャパンを救うのは“大谷化”した誠也か。思いを聞いた。

 -キャンプが始まった

 鈴木 やっぱりジャージーでやるのとユニホームを着てやるのは違います。少しでも見られていると、ちょっとした力みも入ります。自主トレではなかった細かい部分の筋肉もユニホームを着ると使われて、最初は張ったり、だるさを感じました。おもしろいです。

 -おもしろいとは

 鈴木 毎年春になる「体の状態」ですが、あまり意識して考えたことがなかった。今年はいろいろ感じながら入りたいと。それが感じられたのでおもしろかった。

 -なぜ感じたいと

 鈴木 (大谷)翔平と話していて、全然違うなと思った。いろんな人と出会って感じて、吸収して野球にもつなげている。いろんな角度で考えられる。僕はただ野球を一生懸命やっているだけだった。自分を小さく感じました。

 -それではだめだと

 鈴木 野球だけやっていてもだめだなと思いました。限界があるなと。オフはプロゴルファーの方など他分野の方と出会う機会も多かった。いろんなことを感じるようにしています。それが上達するのに必要なことだと感じました。だから今はもっといろんなものを見たい、いろんなところに行きたい、いろんな人に会いたいと思っています。

 -技術だけではない

 鈴木 技術だけ上げようとしても絶対無理。人間力も上げて、視野を広げていかないと。例えば五角形のグラフで「技術」の項目だけ高くなっても無理がある。そもそも無理だし、面積は小さい。それは人間としてどうかなと。全体が大きくなって技術も上がる。

 -刺激し合う大谷がいないWBCになる

 鈴木 翔平は刺激を受けてないですよ(笑い)。でもいろんな聞きたいこともあったし、侍ジャパンでは同学年も少ない。強化試合では「本番もまた頑張ろうや」と言っていたので残念です。でも彼にしか分からないことだと思う。連絡もしましたけど、悔しさは本当に大きいと感じた。絶対出たかったと思うので。

 -どう戦っていく

 鈴木 日本のいいところはそこで埋められることだと思う。何かを特別に変える必要はないと僕は思います。翔平が抜けた分をみんなで埋めればいいし、それが出来ると思う。僕ははつらつとしたプレーで、怖いものなしでがむしゃらにやりたい。交流戦もあるし、日本シリーズもリベンジを果たさせてもらわないといけないので。そのためにも、翔平には早く治してもらいたいです。【取材・構成=池本泰尚】