昨年3月の春場所以来、1年4カ月ぶりの地方開催となった名古屋場所。コロナ禍での開催も、ここまで大きな混乱は見られず千秋楽を迎える。名古屋場所の出羽海担当部長(元前頭小城ノ花)も「場所前から感染対策を徹底してやってきた。感染症対策の先生の指導のもと、できる限りのことをやった」と胸を張る。

とはいえ、例年通りの地方場所とはいかない。例えば山響部屋。名古屋場所では例年、介護施設の一部を宿舎として使用してきた。しかし、もしも協会員や施設利用者から感染者が出てしまったら…。互いが互いのことを考慮した結果、名古屋市内のホテルを宿舎として利用することになった。当然、土俵はないが、協会は了承済み。出羽海担当部長は「安心、安全が第一ですから」と話す。

ホテル生活となった山響部屋。部屋の力士らによると、1室を2人までで使用。貸し切りの食事会場で、机の上にアクリル板を設置してホテルが用意した食事を食べる。運動が出来る部屋を貸し切り、四股や股割りなどの軽い運動をして場所入りするなど、慣れない環境ながらにできる限りのことをしている。協会員一丸となって開催した今場所の実績が、11月場所の福岡開催へとつながる。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)