若隆景。「ワカタカカゲ」と読む。やや言いにくい。かまないように言うには、どうすればいいか。かまないコツは何か。夏巡業中に、本人に聞くと「分かりません…」。ただし、「言いづらいのは、把握してます」とも言っていた。

しゃべりの専門家にも聞いた。

勝ち名乗りを受ける若隆景
勝ち名乗りを受ける若隆景

元NHKアナウンサーの刈屋富士雄氏は「『タカ』を意識するんです。ワカ『タカ』カゲ。いっぺんに言うとかむから、真ん中の2つの音をしっかり言う。大相撲の実況をされていた山田康雄さんがよく、いいづらい言葉を切っていました。『栃司』を『トチィツカサ』のように。油断すると発音としてうまく伝わらないので、真ん中を意識すると言いやすいですよ」と教えてくれた。今もNHK福島の夕方のニュースで、若隆景と若元春の相撲をリモートで解説している。それだけに「最初はかんだ」ものの、今は「言えないと話にならない」という覚悟も決めている。

元NHKアナの刈屋富士雄氏(2025年撮影)
元NHKアナの刈屋富士雄氏(2025年撮影)

ABEMA大相撲LIVEで実況を務めている清野茂樹アナウンサーは「最初の『タ』の音を強く発音する。タ行は難しいんですよ。僕は(若隆景を)かんだことはありませんが、気をつけています。言いにくいことは間違いないですね」と説明してくれた。

呼び出しにも聞いた。

三役呼び出しの重夫は、現在の番付では若隆景を呼び上げることが多いが、どうか。「かみませんよ…。1文字ずつ、はっきり言う感じにする。呼び上げるのが誰であろうが、緊張はします。獅司の方が難しい。西、獅司は『に~しぃ~、しぃ~しぃ~』になるから。錦木もそう。(若隆景は)しゃべる方がかみそうですね」。

行司はどうか。

呼出しの重夫(2022年撮影)
呼出しの重夫(2022年撮影)

幕内土俵入りの際、「若隆景、福島県出身、荒汐部屋」と行司がアナウンスする。担当は初日から中日が幕下格の式守輝乃典、9日目から千秋楽は木村一馬だ。

輝乃典は、得手不得手が独特だ。「僕は(若隆景は)全然苦手じゃないです。かんだこともないので、意識したことがないです。言いにくいと思いますが、人によって得意と苦手があります。僕は『栃乃洋』が言えなかった。意識すると、もっとダメでした。『北九州市小倉南区』も、何でか分からないけど言えないんで…。ダメになると2、3回失敗していました」。

幕下行司の木村一馬
幕下行司の木村一馬

一馬は「(若隆景は)最初は言いにくかったけど、慣れました。言いやすくはないですよね。言いづらいと思ったことはあるけど、かんだことはないです。『タ』をはっきり言ったら、『カ』がついてくると思います」とコツを説明してくれた。

ぜひお試しください。【佐々木一郎】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)