アスカ、イヨ・スカイ(紫雷イオ)の日本女子勢が初めて中東興行に参戦する。日本時間6日のクラウン・ジュエル大会がサウジアラビア・リヤドで開催される。WWE女子タッグ王者アスカ、アレクサ・ブリス組が前王者スカイ、ダコタ・カイ組の挑戦を受ける。3年前に初めて同興行で女子マッチが組まれたが、女性の行動制限が厳しいサウジアラビアで、ついに日本人対決が組まれた。今年のクラウン・ジュエル大会の見どころを紹介する。

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WWEが初めてサウジアラビア開催のクラウン・ジュエル大会で女子マッチを組んだのは19年10月。ナタリヤ-レイシー・エバンス戦が最初だった。以後、組まれた女子マッチは3試合しかない。アスカ組-スカイ組のWWE女子タッグ王座戦は4試合目となる。

10月31日のロウ大会で王者スカイ、カイ組から王座を奪ったばかりのアスカ、ダイレクトリマッチで王座奪回を狙うスカイはサウジアラビアでの前日会見に出席。20年4月以来、約2年6カ月ぶりのWWE女子タッグ王座返り咲きとなったアスカは「(スカイ所属ユニット)ダメージCTRL(コントロール)は私とアスカにかなわない」と挑発すれば、スカイも「私の王座を取り戻す。私たちの王座だぞ」とにらみ合いを展開した。

サウジアラビアはイスラム教徒が主流で、女性の行動制限が厳しいことで有名。宗教的に全身を包むアバヤと呼ばれる黒い布で肌の露出を極力抑え、隠さなければならない。これまで出場した女子選手は上半身にTシャツを着用し、通常のコスチュームではなく、肌の露出を抑えた姿でファイトした。アスカ、スカイもいつもと違うスタイルで出場するとみられており、1つの注目点となる。

メインでは、WWEヘビー、ユニバーサル王者ローマン・レインズが人気ユーチューバー兼格闘家ローガン・ポールの挑戦を受ける。ポールのセコンドには同じく人気ユーチューバー兼プロボクサーの弟ジェイクが入る。サウジアラビアではポール兄弟の人気が絶大で、今回、統一王座の挑戦者に抜てきされた経緯もある。4日の記者会見にポールはラクダに乗って登場し「(レインズを)めちゃくちゃにしてやる」と挑発し、現地ファンを喜ばせた。

また身長221センチの「巨人」オモス-身長211センチの「巨獣」ブラウン・ストローマンの“ビッグ対決”も話題を呼んでいる。前日会見では両者が計量に臨み、オモスは416・66ポンド(約188・99キロ)、ストローマンは335ポンド(151・95キロ)だった。両者合わせて約340キロの肉弾戦。元WWEユニバーサル王者となるストローマンは「俺がモンスターの中のモンスター」と豪語した。

アスカ-イヨ・スカイ戦をはじめ、人気ユーチューバー、ローガン・ポールの王座初挑戦、オモス-ストローマンの巨人対決など話題豊富なクラウン・ジュエル大会。他にも「野獣」ブロック・レスナー-「筋肉魔人」ボビー・ラシュリーのシングル戦、新日本プロレスの王座戦をキャンセルしたNEVER無差別級王者カール・アンダーソンの6人タッグ戦など日本でおなじみのレスラーたちも参戦予定。WWEが繰り広げる中東興行も見逃せない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)

<クラウン・ジュエル大会主要カード>

<1>WWEヘビー、ユニバーサル統一王座戦=王者ローマン・レインズ-挑戦者ローガン・ポール

<2>スチールケージ形式シングル戦=ドリュー・マッキンタイア-カリオン・クロス

<3>ロウ、スマックダウン統一タッグ王座戦=王者ウーソズ(ジェイ、ジミーのウーソ兄弟)-リッチ・ホランド、ブッチ組

<4>ラストウーマン・スタンディング形式ロウ女子王座戦=王者ビアンカ・ブレア-挑戦者ベイリー

<5>シングル戦=ブラウン・ストローマン-オモス

<6>6人タッグ戦=AJスタイルズ、カール・アンダーソン、ルーク・ギャローズ組-フィン・ベイラー、ダミアン・プリースト、ドミニク・ミステリオ組

<7>シングル戦=ブロック・レスナー-ボビー・ラシュリー

<8>WWE女子タッグ王座戦=王者アスカ、アレクサ・ブリス組-イヨ・スカイ、ダコタ・カイ組

◆配信 クラウン・ジュエル大会は6日午前1時よりWWEネットワークで配信

アレクサ・ブリス(左)とWWE女子タッグ王座ベルトを掲げて喜ぶアスカ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve
アレクサ・ブリス(左)とWWE女子タッグ王座ベルトを掲げて喜ぶアスカ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve
アスカ(右)にミサイルキックを放つイヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve
アスカ(右)にミサイルキックを放つイヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve
ロウ女子王者ビアンカ・ブレア(中央)に祝福されるWWE女子タッグ王者アスカ(左端)とアレクサ・ブリス組(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve
ロウ女子王者ビアンカ・ブレア(中央)に祝福されるWWE女子タッグ王者アスカ(左端)とアレクサ・ブリス組(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserve