新日本プロレスは10日、人気レスラー柴田勝頼(37)が、前日9日の両国大会後に都内の病院に救急搬送され、硬膜下血腫で緊急手術を受けたと発表した。柴田は病院で安静の状態で、22日から始まる次期シリーズは全休が決まった。

 柴田はザ・レスラーの異名を持ち、新日本伝統のストロングスタイルを地でいく荒々しいファイトスタイルが持ち味。今年、再ブレークし、両国大会で王者オカダに挑戦。38分9秒の激闘の末敗れていた。試合では互いに激しい打撃戦を展開。試合終了後は動けなくなるほどダメージを受けたが、歩いてバックステージまで引き揚げた。直後に不調を訴え救急車が呼ばれた。救急隊員の質問にも答えていたが、病院では硬膜下血腫が見つかり、10日未明に血腫を取り除く手術を受けた。復帰は今後の経過を見ながら判断するという。

 激闘の末、柴田を破ったオカダは一夜明け会見で「それだけ激しい試合だった。柴田さんは、ボクはバカまじめな人だと思っているので、また、何か約束をすれば、その約束を守ろうとしてくれると思う。別にチャンピオンで待ってるなんて言うつもりはない。また、会いましょうという約束をここでするので、また守っていただきたい」と悲しそうな表情で話した。

 新日本では人気レスラーの本間朋晃(40)が3月3日の沖縄大会で、中心性頸髄(けいずい)損傷の大けがを負い入院中。わずか1カ月ほどの間に連続してリング上での事故が起きる事態となった。

 ◆柴田勝頼(しばた・かつより)1979年(昭54)11月17日生まれ、三重県桑名市出身。桑名工高レスリング部出身。98年新日本へ入団し、99年10月デビュー。05年1月に退団し、DREAMなどに参戦。12年から再び新日本に参戦。3月にニュージャパンカップ初優勝。183センチ、95キロ。得意技はPK。父は元レスラーでレフェリーを務めた故柴田勝久氏。