モンスターが衝撃の112秒殺!! 同級2位の前WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(25=大橋)が1回TKO勝ちで国内最速16戦目の3階級制覇を成し遂げた。

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 スタイルは違うが、勢いのある時期のタイソンを思い出した。井上はバンタム級では体が小さい。タイソンも同じだったが、パワーで当たれば倒した。井上も自信満々で、勢いとパワーが違った。

 最初の左ボディーで相手は腰が引け、びびっていた。終わるのが早いか、遅いかだけ。ダウンは左フックが効いた。もう足にきていて、あとの右ストレート、左ボディーはかすった程度。ラッシュの間もいいカウンターをもらったが、向こうの体がもう死んでいて効かず。かまわず打ち込んで決めた。

 当日は5・8キロ差あったが、階級を上げて一層強さが際立った。スーパーバンタム級でも通じるだろうが、ここが適性階級と言える。パワーという武器があれば、相手はまず怖がる。トーナメントもパワーで勝ち抜ける。具志堅さんを超えるV14まで勝ち続けてほしい。(元WBC世界スーパーフライ級王者)