男子バンタム級で伊藤礼(らい、新潟南2年)が優勝した。高桑勝翔(巻総合2年)に5-0で判定勝ちした。

昨年の福井国体を経験しているホープが目標の全国制覇に向け、1歩前進した。同女子フライ級は水落優宝(ゆほ、北越2年)が優勝。選抜予選の部の優勝者は全国高校選抜大会(3月25~28日、群馬・ALSOKぐんま総合スポーツセンター)への出場をかけた北信越予選(2月1~3日、福井・羽水高体育館)に進出する。

伊藤の繰り出すパンチが的確にヒットした。「足を使って距離を取り、長いパンチで組み立てる。それができた」。リードブローで相手の接近を止め、間合いが詰まれば連打。フットワークを生かし有利な位置に立つ。高桑とは初対戦だったが落ち着いて得意のアウトボクシングを展開。5人のジャッジのうち4人が伊藤に満点の30点をつけた。

今年は飛躍の年だ。昨秋は福井国体に出場。初の全国舞台を踏んだ。ただ初戦2回戦で昨夏の全国高校総体3位の橋本仰未(岐阜工2年)に判定負け。広い会場で多数の観客に囲まれ雰囲気にのまれもしたが、何より「相手が強かった」。トップレベルの実力を見せつけられた。

敗戦から成長材料を見つけた。「相手は体をつけてからがうまかった」と接触してからの連打や離れ際の技術の高さを感じた。パンチのバリエーションにボディーブローを加えた。「自分はボディー打ちが弱い」。課題克服のため練習を続け「どちらも出せたと思う」。県制覇に成果を感じ取った。

五泉中では野球部に所属。ボクシングは「もともと興味があった」。WBA世界バンタム級王者・井上尚弥や元WBAスーパーフェザー級王者・内山高志の動画をよく見た。高校受験時は県内有数の進学校・新潟南に「ボクシング部があるから」と進学先を決め猛勉強。文武両道を貫く上で欲しいのは全国での結果だ。「北信越を突破して全国選抜で優勝したい」。目標に1歩近づき、意欲はさらに増した。【斎藤慎一郎】

 

◆伊藤礼(いとう・らい)2001年(平13)7月21日生まれ、五泉市出身。五泉南小4年から野球を始め、五泉中では捕手。新潟南では昨年の県高校新人戦1年の部ライト級で優勝。172センチ、普段は60キロ。