新設されたバンタム級(53キロ以下)の日本最強決定トーナメントは黒田斗真(20=K-1ジム心斎橋チームレパード)が優勝を飾った。

決勝で優勝候補の壬生狼一輝(19=力道場静岡)を衝撃の31秒殺。前に出た壬生狼の顔面に左ストレートを打ち抜き、ダウンを奪取。開始31秒、KO勝ちで頂点に立った。試合まで数週間前の練習中、左足薬指の骨折が判明。全治1カ月半と診断され、欠場も頭をよぎったという。「指がボギっとなって。リングに上がれるかは不安でしたが、骨折して優勝したら格好いいなと思った」とニヤリと笑った。

1回戦では身長170センチの長身ファイター池田幸司(23=ReBORN経堂)を1回に左ストレート、2回に左飛び膝蹴りでダウンを奪い、2回2分10秒、KO勝ち。続く準決勝では松本日向(22=K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)も1回に左ストレートで。2回にも再び左ストレートでダウンを奪い、判定勝ちで決勝まで進出した。

速さと力強さを兼ね備えた左ストレートは小学校時代に出場したグローブ空手で武器として使っていたという。骨折した足をほぼ封印し、パンチだけで1日3試合、計14分41秒間を戦い抜いて過酷なトーナメントを制した。黒田は「(グローブ空手も)左だけで勝ってきた。今回、思い切って出して自分の良さが全面に出せた」と振り返っていた。