ボクシング前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が米プロモート大手トップランク社から日本人初となる年間表彰2冠のクリスタルトロフィーを授与された。年末年始にかけて同社公式SNSなどで発表された「ファイター・オブ・ザ・イヤー」(年間最優秀選手賞)と「KO・オブ・ザ・イヤー」(年間最高KO賞)の2つの賞で、24日に東京・後楽園ホールで行われたWOWOWエキサイトマッチ・ファン感謝祭でお披露目された。

2つのクリスタルトロフィーを手にした井上は「(トロフィーが)重いですね。去年やってきたこと、自分の試合内容が評価されてこういう賞をいただけるのがうれしいし、今年、またやろうと思えますね。これから(飾る場所を)考えます。自宅にベルトを置く棚があるので、そこに」と笑顔を見せた。

また同イベント前、横浜市内の所属ジムで3日連続のスパーリングを打ち上げた。元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の練習相手だったプロ10勝(4KO)無敗のホープ、ジャフェスリー・ラミド(23=米国)と拳を交えた。22日に4回、23日に6回、そして24日には7回を消化。19年9月に1度呼んだアマ出身の技巧派との実戦練習は充実した様子。大橋ジムの大橋秀行会長(57)は「非常にテクニカルな良いスパーでした」と収穫を口にした。

現在、井上はWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(28=米国)との対戦決定が秒読み段階。5月開催を目標に交渉が進む。フルトンとラミドが同じオーソドックス(右構え)スタイルだけに良いスパーリングになったようだ。【藤中栄二】

◆トップランク社の年間表彰 総数4000票以上のファン投票で決定。対象は同社契約選手で、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英国)、4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(米国)、元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、元WBC、WBO世界スーパーフェザー級王者シャクール・スティーブンソン(米国)ら世界王者クラスが中心。年間表彰にはファイター・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手)、KO・オブ・ザ・イヤー(最高KO賞)、ファイト・オブ・ザ・イヤー(最高試合)、ライジング・ファイター・オブ・ザ・イヤー(新鋭賞)とともに、モーメント・オブ・ザ・イヤー、ファイター・トゥー・ウォッチなど各賞がある。