4月から米国を拠点に活動する山下実優(28)が、プリンセスタッグ王者に輝いた。伊藤麻希とのコンビ「121000000(ワン・トゥー・ミリオン)」で、マックス・ジ・インペイラー&ハイディ・ハウイツァ組に勝利した。海外に流出していたベルトをようやく取り戻した。伊藤がハウイツァにフライング・ビッグヘッドを決めた。

これから海外で修行を積む山下にとって、タッグのベルトは「通過点」であり、倒しておかなければいけない相手。勝利後、伊藤からの「ありがとう」にも「タッグだから、そんなのいいよ」とクールに決めた。

以前から海外での活動に興味があった山下。コロナ禍が落ちつきはじめた昨年から遠征を重ね、その気持ちがより強くなった。異国での修行は31日のロサンゼルス大会後からスタート。凱旋(がいせん)試合は6月末の地元・福岡での大会を予定する。獲得したベルトに関しても「米国で防衛戦をやることも可能」と、伊藤を呼び寄せて戦うことも示唆。「お前(伊藤)のためならどこでも行く」と結束の強さを見せた。さらに昨年11月に戴冠したEVE王座も返納せず、引き続き守っていくつもりだ。

東京女子を「最高の団体」と自負する。プリンセス・オブ・プリンセスの王者に何度も輝き、団体を引っ張ってきた。看板を背負ってきただけに、生半可な気持ちで帰ってくるわけにはいかない。7月以降については「自分もどうなっているか分からない。生きているかも分からない」と覚悟をみせる。

アイドルになりたくて上京。AKB48も2度“受験”したが、かなわなかった。そんなときにプロレスに出会い、現在は自分の夢に向かって突き進む。「ベルトを巻くたびに景色が変わる。満足することはない」と語るエースが、さらにたくましくなって3カ月後、東京女子のリングに戻ってくる。