「重岡兄弟」が史上初を成し遂げた。IBF4位の弟銀次朗(23=ワタナベ)が、同級3位レネ・マーク・クアルト(26=フィリピン)に初回ダウンを喫しながら9回2分55秒、逆転KO勝ち。メインを務めたWBC3位の兄優大(26=ワタナベ)は同級7位ウィルフレド・メンデス(26=プエルトリコ)に7回25秒KO勝ちした。
兄弟の同日、同階級の戴冠は初の偉業。今後も兄弟で「正規王者」を目指していく。
試合後、2人はリング上でベルトとともに、喜びと決意を口にした。
兄優大が初めて、弟銀次朗への素直なお礼の気持ちを吐露。2人の特別な関係性が分かる名場面もあった。
リング上でのやりとりは次の通り。
-ベルトを巻いた気持ちを
兄優大 皆さん、応援ありがとうございました。
-兄弟でのタイトル
兄優大 うーん、ちょっと、言い訳させてください。あの、銀が、あんな熱い試合して。俺、控室で泣きそうになってて、正直試合どころじゃなくて。
本当はもっとバチバチやりかたったんですけど、俺、もうウルウルして、すんません。
-先に弟がタイトル
兄優大 いや~。銀、頑張ったなと思って、感動してたんですけど。緊張とプレッシャーはあるの分かっていたので、それさえも楽しもうと思っていたんですけど。
僕的には、すでに反省モード入っていて。もうちょっと、うまくやりたかったな、と。ああいう相手が難しいのは分かっているんですけど。これから課題だなと思うし。
世界チャンピオン目指して僕たち小さいころからやってきましたけど、ここがゴールじゃない。手に取って分かるし、むしろ、ここからがスタートだなと思うし。
ここからもっと強くなんなきゃ、と、すでに思っているんで、また頑張ります。
-快挙、注目されると思います。銀次朗選手、兄の姿、どうとらえていますか
弟銀次朗 やってくれると信じていたというか、勝つと思ってたので。
なんかいま、頭真っ白ですね。2人で夢、とりえあえずかなえて、安心しています。
-2人のベルト姿
弟銀次朗 さっき、兄貴が言った通り、とりあえず、2人の夢はかなえたんですけど、もっともっと大きくなりたいし、強くなりたい。
2人でもっと、正直、ボクシング界を盛り上げるつもりでやっているので、まだまだ強いヤツといっぱい戦って、もっと目立っていきたいと思います。
-最後に優大選手
兄優大 ほんと、試合中、みんなの声、聞こえてて、メチャクチャ力になりました。
弟、そうだな。ちょっと僕も試合あとで、真っ白なんですけど、この場を借りて、いろんな人にお礼を言いたくて。
親だったり、会長だったりトレーナーだったり、スポンサーの方々には、あとで直接お礼を言おうと思います。
でも何か、弟にだけ、直接言ったことなくて…。
正直、僕、弟より結構だめな部分とか、だらしない部分あったんですけど、小さいころから、一緒に格闘技やってきて。約20年ぐらいたつんですけど、銀が、こいつが横にいなかったら、多分俺、ここに立っていないし。
これからも重岡兄弟、一緒に横になって、どっちが前とか、どっちが後ろとかじゃなくて、2人で一緒に行けるとこまで行ってやろうと思っているんで。
また重岡兄弟の活躍を、こいつらどこまで行けるのか、というのを楽しみにしていただけると、僕らどこまでも強くなって、上を目指すんで、これからも応援よろしくお願いします。