プロボクシングWBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)が2度目防衛戦に向け、30日に東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。5月6日、東京ドームで同級5位武居由樹(27=大橋)の挑戦を受ける。試合1週間前でもあり、シャドーボクシング1ラウンドという軽めのトレーニングを披露。武居陣営となる大橋ジムの大橋秀行会長(59)、八重樫東トレーナー(41)が公開練習を見守った。

20年10月、同門の4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が対戦し、7回KO勝利。18年10月、米オーランドで井上と一緒にIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に挑戦したモロニーの試合も視察している大橋会長だけに「やっぱり井上尚弥がすごく強かったという言葉が気になる。今日の公開練習だけでは分からないが、対峙(たいじ)したものにしか分からない強さがあるから。相当、強いという印象を持っている」と警戒心を強めた。

モロニー自身、アンジェロ・ファイダー・トレーナーがキックボクシング出身の武居に対して通常のボクサーにはない「トリッキー」なスタイルを警戒しているとの発言が目立った。同会長は「武居がトリッキー、トリッキーと言っていたが、それが武居の強さ、武器ではない。基本的にパンチが強い。少し油断しているのか、間違えているのかなと思う」と収穫も口にした。

元K-1スーパーバンタム級王者の武居がボクシング転向8勝(8KO)無敗で迎える世界挑戦となる。K-1王者時代から大舞台での強さを発揮してきただけに、大橋会長の期待も大きい。同会長は「相性はバッチリと合うのではないか。面白い試合になる」と手応えを示していた。