最大のライバルは同期の御嶽海だ。日体大4年時の全国学生選手権決勝で東洋大4年だった御嶽海に負けた。「今でもたまに夢にでますよ」というほど悔しかった。ともに角界入りし、今年初場所で初対戦したが敗れ、2度目となった今場所2日目も土をつけられた。番付でも常に先を走られ「早く追いつきたいし、追い越したい」と対抗心を燃やす。一方で「一緒に相撲界を盛り上げていきたい」と刺激にもなっている。宇良も含め、15年春場所初土俵の同期で世代交代を推し進めるつもりだ。

 この日手にした懸賞は4本。使い道は「師匠に渡します。初めてもらった時は『横綱に勝った時でいいよ』と言われたので、やっと渡せます。親方孝行できますね」と誇らしげに話した。相撲界に新星が現れた。【佐々木隆史】

 ◆北勝富士の師匠・八角理事長(元横綱北勝海)の話 北勝富士は、自分十分でなく相手を不十分にさせた。その意味ではいい相撲。師匠としてはうれしいが達成感があったら大間違い。その気になられたら困る。まだ全てが足りないし、もっと自覚してやらないと駄目。

 ◆北勝富士に金星を許した鶴竜の話 (右足をひきずりながら支度部屋に戻り)自分で退いてしまった。最悪。もったいない? まさにそうです。(右足で)変な残り方をして。冷やせば大丈夫と思う。