大相撲夏巡業が26日、埼玉・所沢市で行われ、ご当所で平幕の北勝富士(25=八角)の凱旋(がいせん)に、大フィーバーが巻き起こった。

 支度部屋から稽古場に向かうまでに、多くのファンからサイン攻めにあい、約20分かけて1人1人丁寧に対応。土俵に上がると大きな歓声を浴び、2階席には「所沢の星」と書かれた横断幕が掲げられた。

 後半に行われた取組では、小結嘉風に右ののど輪で攻められて土俵際に一気に押し込まれると、会場中からため息が漏れたが一瞬の隙を見て体勢を入れ替えて送り出すと、この日一番の大歓声と拍手を一身に浴びた。「こんなにたくさんの方々に応援されてうれしいしありがたい。小さい子どもからお年寄りまで、名前を覚えてくれていたこともうれしかったです」と感激。巡業終了後に、後援会会長の4000万円の真っ赤なフェラーリで会場に後にする姿は、まさに所沢の星だった。

 巡業が終わった後は、行きつけの店だという「まるいうどん狭山湖店」へ向かった。同店で9月から販売予定の、約30センチの大エビと餅が入ったうどんの新メニューの名前を考案。1時間かけて考えて、温かいうどんを「白星うどん北勝富士」、冷たいうどんを「夏場所」と命名。「もちは白星をイメージしたのと縁起がいいから。夏は冷たいものが食べたくなるから」と理由を説明した。

 岩崎渡代表兼料理長(45)によると、7月からメニューを考えていたという。冷たいうどんには縁起のいい赤富士をイメージしてもみじおろしが添えられ、温かいうどんはちゃんこをイメージして、器を土鍋風にして餅を入れた。「実は関取とは同じ中学校出身なのでうれしいです。横綱になってもらいたい」とエールを送った。北勝富士は「所沢が相撲の街になってくれたらいいです」とさらなる活躍を誓った。