西前頭13枚目の朝乃山(24=高砂)が、3敗を守って優勝の可能性を残した。

 東前頭9枚目の妙義龍に立ち合いから右を差すことができず、巻き替えようとしたところを押し込まれた。俵に足がかかり、弓なりになって土俵際で右を差すと、体勢を持ち直した。そこからは休まず攻めて寄り切った。「しっかりと体が動いているから、土俵際で残れた。先場所で(負け越して)悔しい思いをして、いろいろな人に、いろいろと言われたので『見てろよ』と思って、今場所は頑張ってきた」と、笑顔を交えながらも、雪辱に燃えていた胸の内を明かした。

 新入幕だった昨年秋場所以来、約1年ぶり2度目の2ケタ白星には「調子が良くなかったら2ケタは勝てないですよ」と、胸を張った。優勝争いは1敗でトップの御嶽海と、同期で同じ3敗の豊山との3人に絞られた。今場所の早い段階から目標に掲げていた優勝については「まだあきらめていない。あと2番。これからが勝負」と、力強く話した。