大相撲秋場所(9日初日、両国国技館)をかど番で迎える大関栃ノ心(30=春日野)が4日、出稽古に来た関脇御嶽海、同じ部屋の栃煌山、碧山相手に相撲を26番とった。名古屋場所6日目の玉鷲戦で右足親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷。ケガから復帰し、本格的に稽古を再開した8月29日にも26番とっているが、相手は三段目、幕下。関取相手では再開後最多の番数となった。

患部の不安を忘れるぐらい、無我夢中だった。「え? 26番もやった? 18、19番ぐらいと思ったけど…。途中から力入ったからなあ」。内訳は15勝11敗。相撲再開後1週間と下半身に疲れがたまりだしたこともあってか、この日は立ち合い負けが多かった。「あ~っ、くそっ!」と何度も叫び、納得いかない相撲に、仕切りに入ろうとした御嶽海、碧山を押しのけ、強引にもう一丁をお願いする場面が3度もあった。

だが、26番もとれるのは、右足親指の不安が薄くなっているからこそ。「負けてもいいけど、もうちょっと気持ちよく相撲とりたいな」。1週間前とは、求めるレベルが格段に上がった。「そうだよな。よくなってるよな」とうれしそうだった。