勝てば優勝が決まる一番で、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が大関高安(28=田子ノ浦)に敗れて、優勝決定は千秋楽に持ち越しとなった。

高安のかち上げてくる立ち合いに、貴景勝はひるむことなく低く当たって持ち堪えた。そこから一気に突き押しで土俵際まで運び、圧力負けした高安が横向きになった瞬間、観客も優勝が決まったと思い大歓声。しかし、上半身が突っ込む形となり、高安が1回転して向き直る動きについていけず、土俵上に両膝と両手を着いてしまった。

まさかの逆転負け。あと一押しで初優勝が決まっていた状況。それでも支度部屋では「悲観する相撲内容ではない。そう簡単にうまくいくとは思ってなかった」と淡々と振り返った。

優勝の可能性があるのは2敗で並ぶ貴景勝と高安のみ。千秋楽では貴景勝が平幕の錦木と対戦。高安は関脇御嶽海と対戦する。片方が勝って、もう片方が負ければその時点で優勝が決まり、両者そろって勝つか負けるかの場合は、優勝決定戦に持ち込まれる。

「もう明日で終わり。いい形で終われるかは全部自分の責任。そう簡単にうまくいかないというところをどうやっていくか」と引き締めた。