日本相撲協会は7日、付け人に暴力を振るった平幕貴ノ岩(28=千賀ノ浦)の引退届を受理したと発表した。午後7時半から、貴ノ岩が記者会見を行い、引退に至った心境などを話す見込み。貴ノ岩は日本国籍も年寄名跡も取得していないため、日本相撲協会に残ることはできない。

貴ノ岩は4日午後11時ごろ、冬巡業で滞在していた福岡・行橋市のホテルで付け人の三段目貴大将(23)を4、5発殴った。忘れ物をした付け人が言い訳をしたことに腹を立てて、暴行した。翌5日に事態が判明し、日本相撲協会の事情聴取を受けた。暫定処置として、部屋で謹慎していた。今後は日本相撲協会の理事会で処分が決まる見通しだったが、処分を待たずに自ら引退を決断した。前師匠の元貴乃花親方(元横綱)は「言語道断でしょ」と厳しく指摘していた。

貴ノ岩は昨年10月の秋巡業中に元横綱日馬富士から暴行を受けた被害者だったが、今回は一転して加害者になった。引責引退した日馬富士に続いて、今度は自身が角界から身を引く事態を招いてしまった。

暴行事件を発端に協会側と対立を深めた元貴乃花親方は10月1日付で日本相撲協会を退職。昨年10月以降、暴力問題にかかわった当時の日馬富士、貴ノ岩に加え、貴ノ岩の師匠だった貴乃花親方も含め、3人が角界を去るという異常事態に発展してしまった。