大相撲の平幕貴ノ岩(28=千賀ノ浦)が7日、都内の部屋で引退会見を開き、同席した師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「暴力という形で引退するのは本当に残念。(暴力根絶を掲げる)日本相撲協会に対しても申し訳ない」と話した。その上で現役を退く貴ノ岩へ「(本来は)気持ちは強い男。今後は落ちついて、できることをやってほしい」と第2の人生へエールを送った。

10月に旧貴乃花部屋から力士、床山を受け入れた当時を振り返り「最初は不安はあったが、日に日に全員がうち解けて安心していた」と話した。先月の九州場所では貴ノ岩と同じく旧貴乃花部屋から移った小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が初優勝。激動の2カ月を過ごした。

昨日は貴ノ岩と2人きりで現役を続行するか話し合った。「まだまだ頑張れる。やれるんじゃないか。頑張ろう」と励まし、現役続行を説得。しかし「貴ノ岩の意思は固く、責任を取ろうという意識が強かった」と説明した。

貴ノ岩は4日午後11時ごろ、冬巡業で滞在していた福岡・行橋市のホテルで付け人の三段目貴大将(23)を4、5発殴打。翌5日に事態が判明し、日本相撲協会の事情聴取を受けた。暫定処置として、部屋で謹慎していた。今後は日本相撲協会の理事会で処分が決まる見通しだったが、処分を待たずに自ら引退を決断した。