去就が注目されていた大相撲の現役最年長関取で十両の豊ノ島(36=時津風)が1日、現役続行を明言した。同日、東京・両国国技館で行われた元関脇豪風の引退、押尾川襲名披露大相撲に参加。十両での取組後、支度部屋で明かした。

豊ノ島は東十両11枚目で臨んだ1月の初場所で4勝11敗と負け越し。2度目の幕下陥落が決定的となっていた。千秋楽では「自分ではやりきったという思いはある」と話し、この日も「あの日の時点では9対1だった」と引退に傾いていたことを明かした。

それを翻意されたのは、一粒種の長女希歩ちゃん(7)の言葉だったという。幕下に陥落すれば、無給生活になることを7歳ながら知っていたようで「私が貸してあげる」と泣きながら相撲を続けることを訴えたという。沙帆夫人も、ライバルで旧知の仲の幕内力士・琴奨菊との再戦を果たしていないことを挙げて「それで悔いはないの?」と語りかけられたという。

さらに豊ノ島自身も、初場所は場所前の稽古も申し合いが出来ず、万全でない状態で臨んだことにも悔いを残したという。千秋楽時点で「これでまた(土俵に)上がろうと思えたら、すごい心の強い人間」と話していたが「気力が1回、切れたけど、強い人間になってやろうと思った。今やめるのは中途半端。もう1回、しっかり準備して、それでも大阪で負け越したら、それはそれで」と、腹を決めて幕下力士として大阪の土俵に上がる。