序ノ口は、1月の初場所で初土俵を踏み今場所初めて番付にしこ名が載った西22枚目の篠原(18=藤島、本名・篠原大河)が、7戦全勝で優勝を決めた。

ただ一人、無傷の6連勝で迎えたこの日の7番相撲で、西序二段107枚目の石原(30=二所ノ関)を、持ち前の突き押し相撲で一気に押し出した。

静岡県富士市出身で、高校相撲の強豪・飛龍高3年時の今年1月に藤島部屋から初土俵を踏んだ。高校の1学年先輩で、序ノ口から7場所連続勝ち越し中の幕下鈴木に誘われた。小学1年から相撲を始めたが、個人での全国大会出場はなく、高校3年の団体戦で3回戦に1度、出場したぐらいだったが「入門したら俺がいろいろ面倒を見るから、安心して入ってこい」とラブコールを送られ3部屋の勧誘があったが、藤島部屋へ入門した。大学進学か就職かを考えていたが「プロ入りしたのは先輩の存在が大きい」という。その先輩に「早く自分も追いつき、あわよくば抜かしたい」と、貪欲な姿勢を示した。

今場所を振り返り「前に出る相撲が良かった。(高校の)相撲経験者と当たることが多くて、きつかったと言えばきつかった」と話した。高校2年の12月に、痛めていた右手首を手術。それまでの押し相撲から四つ相撲に変えた。今も右手首は、ガッチリとテーピングされているが、回復したことで再び、ぶちかまして出る押し相撲に戻した。「4勝3敗ぐらいで勝ち越せれば」という目標設定は、うれしい大誤算? の7戦全勝優勝。「4年で関取になりたい」と次なる目標を胸に稽古に励む。【渡辺佳彦】