大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)まで2週間を切った27日、大関朝乃山(27=高砂)が都内の部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じ、静寂の夏を盛り上げる覚悟を語った。

前日26日に、夏場所の初日から3日目までの無観客開催が正式に決定した。無観客開催は昨年春場所以来。「今まで人がいて相撲を取るのが当たり前だったけど、(昨年)3月場所無観客で取っているときは、お客さんがいない時はさみしかったですし、勝っても負けても拍手がなかったですから、改めてお客さんが大事だなと思いました」と振り返った。

前回無観客開催だった昨年春場所では大関昇進をつかんだ。「15日間出るからには、今の番付は優勝を求められますので、しっかりと結果を残したい」と意気込む。緊急事態宣言が延長しなければ4日目から観客が入る。「お客さんがいれば自分以外の力が出ると思いますし、でも、自分自身の気持ち(が重要)だと思うので集中して、目の前の一番で自分の相撲を取れるかの問題ですね」と話した。

19日から22日まで両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古は全4日間を皆勤した。大関正代、小結御嶽海ら上位陣と相撲を取り「いろんな人と稽古ができたので良かった」。上位に定着し始め、得意の右四つの形が研究されていることを自覚している。「徹底的に研究されているからこそなかなか右四つになれないというのが多分あると思う。15日間戦う相手は1人1人タイプが違いますので、それをどうやって攻めるのかを決めていかないといけないですね」と対策を練る。

夏場所は2年前の19年に平幕で初優勝をつかんだ場所。米トランプ前大統領から表彰され注目を集めた。昨年の夏場所は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。2年ぶりの夏場所を再び飛躍の場所にする。