32歳の誕生日に待望の白星を手にした。千代栄(九重)は、同じく今場所が十両デビュー場所の欧勝馬(25=鳴戸)を引き落としで下して初日が出た。「十両で勝てたのはうれしい」と笑みがこぼれた。

初日、2日目と連敗を喫し「当たっていかないとだめだなという気持ちがあった」と反省。この経験が生きた。欧勝馬にはまわしを取られないように立ち合いからしっかりとぶつかり、まわしを取らせず主導権を握り一気に攻めた。入門から苦節13年の遅咲き。31歳にして関取の座をものにした。32歳となったこの日、最高のプレゼントを自らの手で勝ち取った。

気になる自分へのご褒美は「場所終わってからゆっくり休もうと思っていますが、今はそんなことを言ってられない」と満足はしない。初めての15日間の戦い。「一番、一番また取りたい」と気を引き締めて会場を後にした。