日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、元横綱白鵬の間垣親方が同日付で年寄「宮城野」を襲名し、宮城野部屋を継承して師匠になったことを発表した。宮城野親方(元前頭竹葉山)は間垣親方となり、8月に65歳の定年を迎えた後も再雇用制度で協会に残る。横綱経験者が師匠になるのは、昨年8月に田子ノ浦部屋から独立した元稀勢の里の二所ノ関親方以来となった。

モンゴル出身の宮城野親方は、01年春場所で初土俵を踏み、19年9月に年寄取得に必要となる日本国籍を取得した。現役時代には史上最多の45度の優勝や、前人未到の幕内1093勝など数々の記録を樹立。歴史ある大相撲界に名を大きく刻んだ1人だった。一方、土俵内外で物議を醸す言動が多かった。昨年9月に年寄「間垣」を襲名する際には、自覚ある行動を取るようにとの異例の誓約書付きでの承認となった。

名古屋場所終了時点で宮城野部屋には十両炎鵬ら力士17人が在籍している。現役時代から過去の名力士らの映像を繰り返し見るなど、研究熱心な一面があった宮城野親方。部屋付き親方から師匠となり、未来の横綱を育てる旅が始まる。