東前頭13枚目の琴勝峰が水戸龍を寄り倒して、初日から5連勝を飾った。立ち合いが合わずに2度の待った。それでもリズムを失うことなく、力強い相撲で攻め抜いた。

東前頭10枚目の碧山も激しい攻防の末、最後は上手がかかって上手投げで王鵬を下し、5連勝とした。

先場所優勝の東前頭3枚目阿炎は、関脇若隆景を突き出し連勝を伸ばした。

関脇豊昇龍は大栄翔に突き倒されて初黒星を喫した。三役以上の勝ちっぱなしはなくなり、序盤戦全勝は平幕3人となった。

新小結琴ノ若は関脇高安を押し出し、ようやく初日を出した。

「1人大関」貴景勝はベテラン玉鷲を押し出して1敗を守った。


5日目の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。 

大相撲初場所 全取組結果

<関連記事>

西前頭11枚目の栃ノ心休場 左肩関節の脱臼、再出場なければ来場所十両陥落の危機

東大出身の須山3連勝「狙い通り」北勝伊を立ち合い変化でひらりとかわし、間髪入れずはたき込み

伊勢ケ浜親方が指導普及部副部長として役員待遇委員に 昨年末、弟子の暴力行為発覚で理事辞任



十両


魁勝(2勝3敗)浴せ倒し朝乃山(5勝0敗)

魁勝が朝乃山に敗れ黒星先行「よく親方に『やるな』と言われていることで、よくなかった」

朝乃山が初日から負けなし5連勝、魁勝下す「立ち合いは当たれたつもりだったんですけど」反省も

魁勝(右)を浴びせ倒しで破る朝乃山(撮影・中島郁夫)
魁勝(右)を浴びせ倒しで破る朝乃山(撮影・中島郁夫)

幕内


一山本(3勝2敗)肩透かし剣翔(2勝3敗)

☆一山本 もう少し足が出ていたら、もっと前に出られたのかなと思うので、そこは反省したい。それでも上半身はしっかりと動いているので、あとは下半身もしっかりと動くようにしたい。初日、2日目は硬くて、3日目にいい相撲を取れて、そこから体が動いていると思う。しっかり準備し直して、中盤戦に臨みたい。(先代師匠の荒磯親方=元大関若嶋津=の誕生日だったが)年明ける前、先代と電話で話して元気そうだった。しっかりと、いい姿を見せられれば。先代はずっと「前に出ろ」と言っていて、その相撲が取れなかったけど、勝つことはできている。

一山本(左)は剣翔を肩透かしで破る(撮影・小沢裕)
一山本(左)は剣翔を肩透かしで破る(撮影・小沢裕)

千代丸(0勝5敗)突き出し琴恵光(3勝2敗)

☆琴恵光 冷静に落ち着いてとることができました。中に入っていく意識ではあったが、前に圧力をかけながら相撲をとることができた。相手の引きにも反応できました。しっかり攻める意識を持って、明日からもやっていきたいです。

千代丸(左)を突き出しで破る琴恵光(撮影・中島郁夫)
千代丸(左)を突き出しで破る琴恵光(撮影・中島郁夫)

琴勝峰(5勝0敗)寄り倒し水戸龍(2勝3敗)

☆琴勝峰 上手を取られた時に、投げが来るなと思っていた。それに合わせて前に出た。完全に(投げを)食わない自信はなかったけど、隙間をつくらないように、くっついて前に出た。(序盤終えて)あまり引きずらずにできている。よかったところもある。(高校時代からしのぎを削った豊昇龍が好調だが)場所中は自分のやるべきことをやるので精いっぱい。(今年1年は)気負いすぎずに、ノビノビとした相撲を取りたい。(踏み込みの足が4日目は左、5日目は右だが)まだまだ甘い部分はあるけど、相手に合わせて変えている。今日は、右で踏み込んで、左を固めていった。(兄弟子の琴ノ若が今場所で新三役に昇進したのは)重圧の中、結果を出しているのは見習わないといけない。ずっと先輩なので勉強させていただいている。自分は自分でやっていきたい。(自身の方が番付が上の時期もあったが)番付が上だろうが、下だろうが見習わないといけないと思っている。

琴勝峰(左)は水戸龍を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
琴勝峰(左)は水戸龍を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)

東龍(4勝1敗)寄り切り隠岐の海(0勝5敗)

☆東龍 いやぁ、いい形じゃないです。左上手も取れず、相手の思うツボ。作戦負けですね。切り替えるしかないので、明日から初日のつもりで頑張ります。

東龍(右)は隠岐の海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
東龍(右)は隠岐の海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

宝富士(4勝1敗)不戦勝栃ノ心(2勝3敗)
栃ノ心の休場で宝富士の不戦勝を告げる垂れ幕(撮影・中島郁夫)
栃ノ心の休場で宝富士の不戦勝を告げる垂れ幕(撮影・中島郁夫)

(2勝3敗)寄り切り平戸海(3勝2敗)

☆平戸海 考えた通りにとれました。今まで押されていたので、考え方を変えていきました。(体が動いている要因は)場所前、稽古できたからだと思います。今、少しずついい相撲をとれるようになってきた。このままいい相撲をとれるよう頑張ります。

輝(右)を寄り切りで破る平戸海(撮影・小沢裕)
輝(右)を寄り切りで破る平戸海(撮影・小沢裕)

千代翔馬(0勝5敗)押し出し遠藤(3勝2敗)
遠藤(左)と千代翔馬の一番は物言いが付いた。審判団が協議した結果、遠藤が千代翔馬を押し出しで破った(撮影・小沢裕)
遠藤(左)と千代翔馬の一番は物言いが付いた。審判団が協議した結果、遠藤が千代翔馬を押し出しで破った(撮影・小沢裕)
千代翔馬(左)を押し出しで破る遠藤(撮影・中島郁夫)
千代翔馬(左)を押し出しで破る遠藤(撮影・中島郁夫)

碧山(5勝0敗)上手投げ王鵬(0勝5敗)

☆碧山 粘って粘って、反応しました。あまり良くないけど、引いて、すぐに前に出て、相手のバランスを崩そうとしていた。そのまま、おっつけて前に出られるのが1番いいんですけど、体が途中で起きて押しづらいから引いてしまった。(5連勝)悪くないです。だいぶ年を取ってきたので、精いっぱい、できるだけ頑張ります。(まだまだこれからでは、の問いに)「まだまだ」かどうか、分からないけど(笑い)。とりあえず、ケガしないように頑張ります。何日か引いてしまったけど、よく相手の動きを見て相撲を取れている。(この日から休場した同部屋の栃ノ心に)早く元気になってほしい。

王鵬(下)を上手投げで破る碧山(撮影・中島郁夫)
王鵬(下)を上手投げで破る碧山(撮影・中島郁夫)

隆の勝(3勝2敗)はたき込み宇良(2勝3敗)

☆隆の勝 低く来る相手だったので、よく見て対応しようと思っていた。落ち着いてできたかなと思います。白星が1個多いのは、だいぶ気持ち的にも楽。楽になった分、相撲も良くなっていくと思う。(同じ千葉県出身の琴勝峰も5連勝と好調)盛り上げられたらいいかなと。これからまた、白星を重ねて頑張ります。

宇良(下)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・中島郁夫)
宇良(下)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・中島郁夫)
隆の勝は宇良(右)をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)
隆の勝は宇良(右)をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

竜電(3勝2敗)寄り切り阿武咲(4勝1敗)

★阿武咲 下からあてがわれた時に上半身で対応してしまった。切り替えてまた明日、集中して頑張りたい。

阿武咲(右)を寄り切りで破る竜電(撮影・中島郁夫)
阿武咲(右)を寄り切りで破る竜電(撮影・中島郁夫)

北勝富士(3勝2敗)押し出し佐田の海(2勝3敗)

☆佐田の海 きょうはしっかり我慢できた。体の調子の良さが保てている。稽古にしても日頃の生活で何か相撲につながらないかと気にしています。体の感覚は悪くないので、後は我慢すれば結果はついてくる。

★北勝富士 ちょっと弱気になってしまった。我慢して、我慢して、とは思っていた。でも弱い自分が出てしまった。まわしを引けたらよかったけど。くよくよしても仕方ない。1日1番、辛抱して1つ1つ星を取れるように。また明日からが初日と思って、しっかりと切り替えて頑張ります。

北勝富士(右)を押し出しで破る佐田の海。押し出された北勝富士は二子山審判を直撃した(撮影・中島郁夫)
北勝富士(右)を押し出しで破る佐田の海。押し出された北勝富士は二子山審判を直撃した(撮影・中島郁夫)
佐田の海(右)に押し出された北勝富士は勢いあまって審判を務める二子山親方の股間に着地する(撮影・小沢裕)
佐田の海(右)に押し出された北勝富士は勢いあまって審判を務める二子山親方の股間に着地する(撮影・小沢裕)
佐田の海に押し出された北勝富士(中央)は勢いあまって審判を務める二子山親方や溜まり席の一般客に覆い被さる(撮影・小沢裕)
佐田の海に押し出された北勝富士(中央)は勢いあまって審判を務める二子山親方や溜まり席の一般客に覆い被さる(撮影・小沢裕)

錦富士(2勝3敗)寄り倒し錦木(4勝1敗)

★錦富士 ちょっと止まってしまった。自分の相撲を取り切らないといけないなという感じです。しっかり明日の1番に、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。

錦富士(右)を寄り倒しで破る錦木(撮影・中島郁夫)
錦富士(右)を寄り倒しで破る錦木(撮影・中島郁夫)

妙義龍(1勝4敗)内無双翠富士(3勝2敗)
妙義龍(左)を内無双で破る翠富士(撮影・中島郁夫)
妙義龍(左)を内無双で破る翠富士(撮影・中島郁夫)

御嶽海(2勝3敗)寄り切り若元春(2勝3敗)

☆若元春 ここまで内容がしっかり良かったからこそ、きょうもしっかり取れたと思います。軽いんで押し込まれるのはよくあるんですけど、そこをしっかり残せたのは良かった。下手がのぞいた時に、下から起こせた。そこで残せた。(軽いという中でも増量してきている)体重がもともと増えなかった。動きを落とさないように調整しながら、ここまできて体重が増やせている。今も146キロくらいにキープしている。(要因は)嫁さんの料理がおいしいからじゃないですか。星自体はあんまり気にしてないんで、昨日も取り直しの2番目の相撲は内容も良かった。落ち着いてきょうも前に攻めながら取ろうと思っていたけど、押し返せて良かった。

若元春は御嶽海(左)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
若元春は御嶽海(左)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金を手にする若元春(撮影・小沢裕)
懸賞金を手にする若元春(撮影・小沢裕)

霧馬山(3勝2敗)突き落とし翔猿(2勝3敗)
霧馬山(下)を突き落としで破る翔猿(撮影・中島郁夫)
霧馬山(下)を突き落としで破る翔猿(撮影・中島郁夫)

明生(1勝4敗)押し出し正代(1勝4敗)

☆明生 よかったと思います。ホッとしています。(連敗していたが)その日、その日、と思いながら土俵に上がっています。(通算400勝目)中学校卒業して(相撲界に)入って、こんなに勝っているなと。まだまだ勝ち星を増やしていきたいです。今日みたいに動いて、頭をつけて相撲を取っていきたいです。

明生(左)に腕を取られる正代(撮影・中島郁夫)
明生(左)に腕を取られる正代(撮影・中島郁夫)
明生(左)は正代を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
明生(左)は正代を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

高安(1勝4敗)押し出し琴ノ若(1勝4敗)
琴ノ若(左)は高安を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
琴ノ若(左)は高安を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

大栄翔(4勝1敗)突き倒し豊昇龍(4勝1敗)

☆大栄翔 立ち合いで押し込まれたけど、当たれてはいたので、そのまま落ち着いて、慌てずに最後まで攻められたと思う。落ち着いて慌てて攻めずに、最後の際まで集中してやろうと思っていた。いい相撲が取れたと思う。(4関脇から白星は)すごいうれしいこと。まだ序盤戦が終わったばかり。ここからまた集中してやりたい。(今場所の番付は発奮材料になるか、という問いに)。そうですね。もちろん、悔しい気持ちを持ってやっている。そういう意味では、いい番付と考えてやっている。(2年前に優勝した時も上位陣を破っていたが)2年前の感じのようですが、あまり意識せず。その時も、そんなに意識せず、最後の最後につかめたので、変に意識しないように。1日1番という考えでやっていきたい。しっかりと立ち合いで踏み込んで当たっているので、それがいいのかなと思う。関脇に限らず、誰にも負けたくない。

豊昇龍を突き押しで攻める大栄翔(手前)。左土俵下は阿炎(撮影・小沢裕)
豊昇龍を突き押しで攻める大栄翔(手前)。左土俵下は阿炎(撮影・小沢裕)
豊昇龍(右)を突き倒しで破る大栄翔(撮影・中島郁夫)
豊昇龍(右)を突き倒しで破る大栄翔(撮影・中島郁夫)

若隆景(2勝3敗)突き出し阿炎(5勝0敗)

☆阿炎 しっかり集中していたので、体が動いたと思います。その日の一番にすごく集中を持っていけている。(要因は)こういう風にあえて言うことが大事だと思っている。体の動きも先場所からしっかり準備してきたので、良かった。役(力士から白星続いているが)勝ち星は意識せず。いつも通り向かっていく相撲をしたい。

隆景(手前)の顔面をつかむ阿炎(撮影・中島郁夫)
隆景(手前)の顔面をつかむ阿炎(撮影・中島郁夫)
隆景(手前)を突き出しで破る阿炎(撮影・中島郁夫)
隆景(手前)を突き出しで破る阿炎(撮影・中島郁夫)

玉鷲(3勝2敗)押し出し貴景勝(4勝1敗)
貴景勝は玉鷲(右)を押し出しで破る。左奥は土俵下で控える阿炎(撮影・小沢裕)
貴景勝は玉鷲(右)を押し出しで破る。左奥は土俵下で控える阿炎(撮影・小沢裕)
分厚い懸賞金の束を手にする貴景勝(撮影・中島郁夫)
分厚い懸賞金の束を手にする貴景勝(撮影・中島郁夫)