大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、西前頭15枚目の王鵬に敗れ、連勝は「7」で止まり、10勝2敗となった。

立ち合いで右を差し、得意の形になりかけたが、自ら抜くように右腕を引いた。すると王鵬にもろ差しを許し、そこからは防戦一方で寄り切られた。「最初は自分の形だったんですけど、下がって右が抜けて、相手が巻き返してきて圧力で差された。なんであーなったか分からない。あのまま攻めればいいのに、下がって何かやろうとしている。今日の相撲も全然ダメですし、こんな相撲を取っていたらダメ」と、険しい表情で話した。

東前頭17枚目の水戸龍を破った、初日以来の幕内土俵で「やっぱり勝ちたい気持ちはあった」と、気持ちを高ぶらせて土俵に立った。朝乃山が新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反し、6場所の謹慎休場している間、入れ替わるように新入幕したのが王鵬。「昭和の大横綱」大鵬の孫との初顔合わせだったが「王鵬関は押し相撲ですので、しっかり踏み込んで自分の形になればと、攻めていこうという気持ちでいった」と、白星へのイメージはできていた。だが、イメージとは異なり、王鵬が組んでくるなど、予想外の流れとなり、後手に回った。1敗を守れず、十両優勝争いで取組前まで並んでいた逸ノ城は勝ったため、残り3日で1差を追う展開となった。

前日22日の11日目も、勝ったものの豪ノ山に押し込まれる場面が目立つなど苦しんだ。取組後は「相撲内容がダメですね。自分の相撲を取れなかった。相手のペースで相撲をさせてしまった。受ける一方でした」と反省しきりだった。この日の取組後も「自分の左上手も、前から指摘されているように深いですし、もっと浅く取らないといけない。そこがまだ弱い」と、唇をかんだ。1差を追い、2場所連続の十両優勝へ、13日目以降は負けられなくなった。